Galaxy Z Fold5 実機レビュー – 着実に進化した正統派フォルダブル

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下半期サムスンのフラグシップ端末、Galaxy Z Fold5を筆者が入手してから2週間が経過しました。

以前使用していたGalaxy Z Fold3とも時折比較しつつ、実際に使用してみたレビューを書きました。

Z Fold3のレビューはこちら。

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スペック

以下スペック表の一部と、先代モデルとの比較です(表は左右スクロール可能です)。

Galaxy Z Fold5Galaxy Z Fold4(参考)Galaxy Z Fold3(参考)
WiFiIEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHz/6GHzIEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHzIEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHz
Bluetooth5.35.25.2
ディスプレイ7.6インチ/6.2インチ
Dynamic AMOLED 2X
7.6インチ/6.2インチ
Dynamic AMOLED 2X
7.6インチ/6.2インチ
Dynamic AMOLED 2X
リフレッシュレートメイン:1-120Hz
カバー(サブ):48-120Hz
メイン:1-120Hz
カバー(サブ):48-120Hz
メイン:10-120Hz
カバー(サブ):48-120Hz
解像度メイン:2176 x 1812(QXGA+)
カバー(サブ):2316 x 904(HD+)
メイン:2176 x 1812(QXGA+)
カバー(サブ):2316 x 904(HD+)
メイン:2208 x 1768(QXGA+)
カバー(サブ):2268 x 832(HD+)
寸法開いた時:154.9 x 129.9 x 6.1 mm
閉じた時:154.9 x 67.1 x 13.4 mm
開いた時:155.1 x 130.1 x 6.3 mm
閉じた時:155.1 x 67.1 x 15.8-14.2 mm
開いた時:158.2 x 128.1 x 6.4 mm
閉じた時:158.2 x 67.1 x 16.0-14.4 mm
重量253g263g271g
プロセッサSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxy
3.36GHz,2.80GHz,2.02GHz
Snapdragon 8+ Gen 1
3.18GHz,2.74GHz,2.02GHz
Snapdragon 888
2.84GHz,2.42GHz,1.80GHz
メモリ/ストレージ12GB / 256GB(外部メモリ非対応)12GB / 256GB(外部メモリ非対応)12GB / 256GB(外部メモリ非対応)
バッテリー容量4,400mAh4,400mAh4,400mAh
駆動時間インターネット使用時間(Wi-Fi):
最大18時間
インターネット使用時間(Wi-Fi):
最大16時間
インターネット使用時間(Wi-Fi):
最大12時間
リアカメラ①超広角 12MP F2.2
②広角 50MP F1.8
③望遠 10MP F2.4(光学3倍)
①超広角 12MP F2.2
②広角 50MP F1.8
③望遠 10MP F2.4(光学3倍)
①超広角 12MP F2.2
②広角 12MP F1.8
③望遠 12MP F2.4(光学2倍)
インカメラメイン側:4MP F1.8
カバー側:10MP F2.2
メイン側:4MP F1.8
カバー側:10MP F2.2
メイン側:4MP F1.8
カバー側:10MP F2.2
生体認証指紋(画面内)/2D顔認証指紋(画面内)/2D顔認証指紋(画面内)/2D顔認証
防水・防塵IPX8(防水のみ)IPX8(防水のみ)IPX8(防水のみ)
出典:Samsung 1, 2, 3

ここ数年間、スペック上で大きなモデルチェンジは特段見受けられません。特にZ Fold4からZ Fold5では、プロセッサとヒンジ部分を除き、大きな変化がないように見えます。

またディスプレイはZ Fold4とZ Fold5でほぼ同じ寸法になっており、画面保護フィルムの互換性があります。

ちなみに筆者が購入したのは韓国版になりますが、一部対応バンドを除き基本的には仕様が共通であるため、スペック表は国内のサイトから引用しています。

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ベンチマーク計測結果

実機でベンチマークを計測した結果をまとめます。

なお全て28℃の室内で計測しています。

AnTuTu V10

左:冷却なし、右:冷却あり

左は冷却を行わずにそのまま計測した結果、右は外部から冷却を行って計測した結果です。いずれもほとんど結果にブレがありませんでした。AnTuTuを1回計測する程度ではスロットリングが発生しない様子です。

しかし発熱はしっかりするようなので、非常に負荷の重いタスクを数十分以上こなす際は、パフォーマンス低下が気になる可能性があります。

スコア自体はSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxy搭載モデルとしては平均的な数値と言えそうです。

Geekbench

Geekbench 5

Geekbench 6

いずれもSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxyとしては平均的なスコアです。

夏場でもパフォーマンスの低下が気になることはほぼありません。

パフォーマンス総論

普段使いは当然ながら快適です。一般的な使い方であれば、数年は持つ性能と言えそうです。

ただし発熱は少し気になりました。なんとなくS23シリーズよりも熱を感じやすい気もしますが、おそらくこれは本体が薄いせいだと思います。

ちなみにZ Fold3と比べると、発熱はかなり控えめになったと感じます。

30度以下の屋内において、普段使いで目立った発熱はほとんど見受けられませんでした。

カメラをチェック

カメラは静止画をチェックしました。

以下Galaxy Z Fold5で撮影した作例です。

インカメラ

メインディスプレイとサブディスプレイにそれぞれ存在する、インカメラ計2つの簡単な比較です。

メインディスプレイ側
サブディスプレイ側

メインディスプレイ側のインカメラはディスプレイ下に埋め込まれているので、やはりサブディスプレイ側と比べると解像感に欠け、暗くぼんやりとした写りになります。作例のように光源があると尚更気になるかもしれません。

メインディスプレイ側のインカメラは、顔が確認できる程度で良いビデオ通話用ということなのかもしれません。まだ静止画や動画でしっかり撮影するには不向きだと思います。

もっとも、開いた状態で自撮りをするならば背面カメラが使用できるので、大半のケースではこの問題を回避することが可能です。

背面カメラ

基本的にオート撮影のみで、フィルターはかけていませんが、サイトに掲載する関係で1200 x 900に画像を圧縮しています。

また写り込んだ方の顔を伏せる目的で、必要最低限の加工を行っている画像があります。

広角 1倍
広角 1倍
広角 1倍
広角 1倍
超広角 0.6倍
広角 1倍
望遠 3倍
望遠 3倍

Galaxy S23と同じプロセッサに同じ広角・望遠のセンサーを搭載しているので、概ねS23と同じような写りになる印象です。

値段相応とまでは言いませんが、必要最低限の性能は持ち合わせているように思います。

特にZ Fold3からの乗り換えでは、望遠性能が向上している点が嬉しいですね。S23と同じく10倍ズームでもそれなりの解像感があり、十分実用的に感じます。

ピッタリ閉じられるように

今作ではヒンジ部分が改良され、他社フォルダブルスマートフォンと同様にピッタリと閉じることができるようになりました。

さらに閉じた際の見栄えが良くなっただけでなく、折りたたんだ際の使い心地も向上しています。

従来のモデルではヒンジ側とボタン側で厚みが異なっていたので、閉じて使用しているとかなり違和感がありました。

まだまだ厚みは気になりますが、通常のスマートフォンの使い心地へ一歩近づいたように思います。

軽量化とヒンジで持ちやすく

折りたたんだ状態での使い心地はヒンジだけでなく、重量も貢献しています。

Galaxy Z Fold5は、先代のZ Fold4比で約10g、Z Fold3比では約18gも軽量化されています。

筆者はZ Fold3ユーザーだったので、明らかに軽くなったと感じました。折りたたみではないS23 Ultraと大して変わらないレベルだと思います。

しかし、まだまだ重いことには変わりありません。重量級のスマートフォンに慣れたユーザーでないと非常に重く感じるでしょう。

取り回しの良さを重視する場合は、縦折りのZ Flip5か、S23を選ぶべきだと思います。

SIMトレイが気になる

以前のモデルやGalaxy S23シリーズでは、トレイをSIMカードでサンドイッチするような形状でした。一方Z Fold5は、横向き2連のタイプに変更されています。

SIMカードが2枚挿入できない韓国版は従来からSIM2部分が封印されるのですが、今回はデザインの都合でたいへん無駄のあるデザインになってしまっています。

韓国版に限らず、SIM構成が同じ国内版も恐らくこのようになっていると思われます。

実際に使用していて気になることではありませんが、SDGs謳うメーカーとしてどうにかならなかったのでしょうか…。

UDC・折り目は大きな変化なし

前述の通り、メインディスプレイにはインカメラ(UDC)がディスプレイ下に埋め込まれており、この部分だけ解像感が低くなっています。また折りたたむ以上、メインディスプレイには折り目が存在します。

実機同士で比較したわけではありませんが、この2点はZ Fold4と比べても大きく変化がないように感じました。

いずれにおいても、この部分を注視しなければ気になることはほぼありません。

なお、Z Fold3からはUDC部分、折り目ともに僅かながら改善しています。

本体スピーカーをチェック

本体スピーカーもチェックしました。

Dolby Atmosオンを除けば基本的にデフォルト設定で、音量は50%程度で録音したデータが以下です。

※楽曲は以下から引用しました。

Track: Spektrem – Shine [NCS Release]

Music provided by NoCopyrightSounds.

Watch:    • Spektrem – Shine …  

Free Download / Stream: https://ncs.io/Shine

バッテリー持ちをチェック

主にWi-Fi環境下でSNS・コンテンツ鑑賞、ネットサーフィンをメインとして、可能な限り普段使いの条件に近付けて使用しました。

なお検証では開いた状態、かつメインディスプレイでのみ使用しています。

結果、100%から20%の使用で画面ON時間は10時間44分でした。

この結果は3,900mAhのGalaxy S23より少し短い程度ですが、画面分割などといったマルチタスク機能を活用していたので、その割にはバッテリー持ちが良いと感じました。

ちなみにZ Fold3では似たような条件で7時間程度しか持たなかったので、サムスンの公称値通り、Z Fold5はバッテリー容量据え置きながらもZ Fold3比で1.5倍近くバッテリーが持つようです。

スペック表の駆動時間が伸びているので、Z Fold4と比較してもバッテリー持ちは良いかもしれません。

とにかく、今まで使ってきたGalaxy Zシリーズの中では最もバッテリー持ちが良いと思いました。

Z Fold3では丸1日持たない日もありましたが、Z Fold5で電池持ちが気になったことはほとんどありません。丸1日余裕で持つことが大半です。

なおバッテリー持ちは使い方によって大きく変動します。この検証はあくまで参考程度に留めておいてください。

まとめ

Galaxy Z Fold5のココが良い!

  • 十分なバッテリー持ち
  • ヒンジの改良と軽量化で先代より持ちやすい
  • 全体的に完成度が高い

Galaxy Z Fold5のココが惜しい!

  • Z Fold4から劇的な進化はない
  • 高すぎる
  • まだ分厚い

正直なところ進化点は地味なものばかりです。勢いのある中国メーカーに比べると、ややインパクトに欠けると言えます。Z Fold3からの乗り換えですらこのように感じるので、Z Fold4から乗り換える場合は、更にインパクトに欠けるかもしれません。

また金額も国内版は定価24~25万円程度と、相変わらず簡単に入手できるものではありません。そのうえリセールバリューは低く、型落ちのZ Fold4は執筆時点で中古相場15万円前後にまで落ちています。

よってコストパフォーマンスを重視するのであれば、型落ちのZ Fold4を狙う方が良いと思います。

とはいえ、完成度が高まっているのもまた事実です。

特にバッテリー持ちは、結構ハードな利用にも耐えうるレベルにまで達しています。「折りたたみスマートフォンはバッテリー持ちを諦めるもの」という従来の通説が崩れつつあるように感じました。


コスパ重視ならZ Fold4、完成度重視であればZ Fold5がオススメです。

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