国内版Galaxy M23 5G(SM-M236Q/DS)の通話・4G・5G利用可否を検証

5G
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2022年4月21日、限定モデルを除き日本初のSIMフリー版(オープンマーケット/メーカー直販版)となるGalaxy M23 5G(SM-M236Q/DS)が発売された、記念すべき日でした。

量販店などでは「全キャリア対応」と記載がありますが、初めてのSIMフリーのため前例がなく、通信の挙動においては謎が多い機種となっています。

そのため筆者が独自でモバイルデータ通信についての検証を行いました。

※この検証は最初期のソフトウェアで行っています。以降のバージョンでは検証結果と挙動が異なる場合があります。

バンドの確認

各通信事業者の運用バンド

まず執筆時点で各通信事業者が運用している4G以降のバンドをおさらいします。

赤太字は本機種がスペック上対応しているものです。

4G/LTE700MHz帯800MHz帯900MHz帯1.5GHz帯1.7GHz帯2GHz帯2.5GHz帯3.4GHz-
3.5GHz帯
docomoB28B19/B26B21B3B1B42
auB28B18/B26B11B3B1B41B42
SoftbankB28B8B11B3B1B41B42
RakutenB18/B26B3
スクロールできます
5G/NR700MHz帯1.7GHz帯2GHz帯2.3GHz帯2.5GHz帯3.4GHz-
3.5GHz帯
3.7GHz帯4.5GHz帯28GHz帯
docomo(n28)(n1)(n78)n78n79n257
aun28(n3)(n40)n41n78n78,n77n257
Softbankn28n3n77n77n257
Rakuten(n3)n77n257
スクロールできます

※括弧は近日運用予定の周波数

Galaxy M23 5Gの対応バンド

続いて実機で確認した本機種の対応バンドをまとめます。

※2G GSMは日本で利用されていないので省略しています。

モデル名SM-M236Q
3G UMTSB1(2100), B2(1900), B4(AWS), B5(850), B6(800), B8(900), B19(800)
4G FDD LTEB1(2100), B2(1900), B3(1800), B4(AWS), B5(850), B8(900), B12(700), B17(700), B18(800), B19(800), B26(850), B28(700)
4G TDD LTEB38(2600), B40(2300), B41(2500), B42(3400)
5G FDD Sub6
5G TDD Sub6N77(3700), N78(3500)

検証結果

以下実機の検証結果です。

なお本機種は海外版Galaxyと同様に大手通信事業者のアクセスポイント(APN)のみしか保存されていません。MVNOやサブブランドといった格安SIMを利用する場合、新規でAPNを作成する必要があります。

また全体的に工場出荷時点のソフトウェアはネットワーク周りが不安定で、執筆時点ではSIM2で5GをオンにしてもNRを掴むことができません。5G契約の回線を利用する場合はSIM1での利用を推奨しています。

docomo

  • 4G通信:B1,B3,B19,B26,B28,B42で利用可能
  • VoLTE通話:利用可能
  • 5G通信:n78で利用可能

4Gは対応しているバンドで全て利用可能です。通話も4Gで問題なく利用可能でした。4Gエリアは制限なく使用できます。

ただし5Gはメインの周波数である4.5GHz帯(n79)に対応していないため、利用できるエリアが大きく制限されます。

※2022年4月29日追記

FOMAの動作確認も行いました。現状は3Gに落ちると圏外になり、利用することができないようでした。

どうやらドコモ系のSIMでFOMAが利用できないのは仕様のようです。

au

  • 4G通信:B1,B3,B18,B26,B28,B41,B42で利用可能
  • VoLTE通話:利用可能
  • 5G通信:n77,n78で利用可能

対応するバンドは全て利用可能なため、4Gエリアは制限なく利用できます。ステータスバーにVoLTEアイコンは表示されないですが、4Gで通話が可能です。

5Gではpovo2.0で900Mbps弱を観測しました。条件によっては1Gbps超えも実現できそうです。

参考:DC_1A-3A_n78A(3.7GHz帯)

ただし本機種は5Gの700MHz帯(n28)に対応しておらず、5Gに関しては利用できるエリアが制限されます。

3.5GHz帯の転用5G(n78)に関しては、現状のソフトウェアでは掴まない可能性があります。不具合の可能性が高く、今後のアップデートで修正されることを期待しています。

Softbank

  • 3G通信:B1,B8で利用可能
  • 4G通信:B1,B3,B8,B28,B41,B42で利用可能
  • VoLTE通話:利用可能
  • 5G通信:n77で利用可能

対応するバンドは全て利用可能です。通話も3Gおよび4Gで利用できます。4Gはエリアに制限なく使用できます。

本機種は国内版としては珍しくB8に対応していますが、4GにおいてB8を絡めたキャリアアグリゲーションには対応していないようです。

ただし、よほどのことがない限りソフトバンク公式対応端末と実感できるほどの差は出ないので、一般の方はそこまで気にしなくても問題ないと思います。

5Gに関しては3.7GHz帯、および転用の3.4GHz帯が利用可能です。1.7GHz帯(n3)および700MHz帯(n28)には対応していないので、利用できる5Gのエリアは制限されます。

Rakuten

  • 4G通信:B3,B18,B26で利用可能
  • VoLTE通話:利用可能
  • 5G通信:利用不可
  • Rakuten Link:利用可能

楽天モバイルでは自社回線・パートナー回線・通話いずれも問題なく利用できるようです。しかし5Gエリアに入ると圏外になるか、通信が不安定になります。デュアルSIMで利用している場合、もう片方のSIMに影響が出ることもあります。

そのままでは5Gエリアで4Gすらも利用できなくなる場合があるため、楽天モバイルに関しては5Gをオフにして利用してください。

なおこれは本機種特有の問題ではなく、ミドルクラスのGalaxyで頻繁に起きる事象のようです。

余談ですが、楽天モバイルの4Gでは4×4 MIMOに対応しておらず、最大通信速度は200Mbpsになるものと思われます。

これに関しても、一般的な利用において問題になることはほぼありません。

まとめ

検証の結果を以下表にまとめます。

docomoauSoftbankRakuten
3G×
4G
5G×
VoLTE
Rakuten Link

総評

対応バンドの都合上、原則5Gでは利用できるエリアが制限されます。ただし一般的な利用において困ることはないでしょう。

楽天モバイルの5G以外は基本的に問題なく使えるので、どのSIMカードを挿しても必要十分に使えそうです。

筆者が調査したところ、理論値の最大通信速度は良くて4Gが788Mbps5Gは2.1Gbpsのようでした。

比較的キャリアアグリゲーションに対応していることから、海外版Galaxyよりは快適に使える場面が多そうです。

アンテナ性能的にはA32 5G(SCG08)に近いです。ハイエンド並の高性能は期待できませんが、感度は悪くないと思います。

なお本機種はeSIM非対応のため、いずれの通信事業者においても物理SIMカードが必要です。

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