【注意喚起】災害時に3Gへ切り替える裏技は使えないかもしれないという話

5G

近年4Gや5Gなどといったモバイルデータ通信は「繋がって当たり前」の存在になりつつあります。

しかし、そんな通信インフラでも100%繋がり続けるわけではありません。通信障害や災害による設備の損壊などにより、繋がりにくくなるリスクは常に抱えています。

そんな中、「3Gに落とすと繋がりやすくなる」という言説がインターネット、とくにSNSでよく拡散されています。しかしこの方法、実はやや問題点を抱えています。

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3Gが使える状況は限られている

そもそも執筆現在、個人向けでは

  1. ソフトバンクの契約
  2. ドコモの4G契約

上記二つのみでしか3Gを利用することができません(MVNOを含む)。

auでは3Gサービスが終了し、ドコモの5G契約では3Gが利用不可となっています。楽天モバイルはそもそも3Gを商用化していません。

そのうえ5Gに対応したiPhone 12以降では、3Gの選択を行うことすらできません。つまり3Gのみのエリアに行ったり、エラーなどで自動的に3G通信に切り替わらない限り、ユーザーが意図して3G通信を行うことはできなくなっています

上記画像はソフトバンク回線のSIMを挿したiPhone 13 Proの設定画面です。契約上は3G通信ができるソフトバンクのSIMを挿していても、3Gが選択できなくなっていることが分かります。

またAndroidスマートフォンでも機種によっては3Gを選択できなかったり、選べたとしても3G通信ができない場合※があります。つまりiPhoneだけでなく、全体で3Gを使えなくする流れになっています。

このように、「3Gに落とす」という概念が過去のものになりつつあり、そもそもできないというケースが増加しています。加えて今後さらに使えなくなっていくため、もう3Gはないものと思っておいたほうが良さそうです。

※ドコモ回線の場合。

4Gのほうが快適なことも

5G商用化から数年が経った今、4Gもかなり成熟しています。そのため1世代前の通信規格といっても最大通信速度が1Gbpsを超えている通信事業者もあり、Softbank 3Gの最大21Mbpsと比べても概ね数倍~数十倍の速度が出ます。

速度が出るという事はそれだけ混雑に強いと言って差し支えがなく、状況によっては3Gに落とさないほうが快適となる場面も多いでしょう。

もちろん3Gのほうが快適な場面もありますが、4Gよりもキャパシティが小さいため、たくさんの人が3Gに落とした場合すぐに混雑してしまいます。

結論 あまり使えない裏技

以上のことから、インターネットで持ち上げられるほど使える裏技ではないと言えます。

また5Gエリアも拡大しつつあり、特にドコモやソフトバンクでは郊外でも比較的整備が進んでいます。5G対応機種の場合、5Gをオンにするというのも混雑対策となりそうです。

なお、これらの対策は電波が混雑した場合の対処法です。電話回線の混雑についてはLINEなどといった通話アプリで回避することはできますが、今回のau通信障害のようにネットワーク側で通信・通話不可能となった場合はどうにもなりません。その場合は諦めるか、Wi-Fiなど代替の通信手段を利用するしかありません。

3Gに落とすことだけを考えずに、災害は正しい知識を持って備えましょう。

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