日本時間10月20日午前2時に正式発表となったGoogle Pixel 6シリーズ。
キャリア販売は6がauとソフトバンクに、6 Proはソフトバンク独占で、NTTドコモはどちらも取り扱いなしとなりました。
Goggleは後のアップデートでドコモにも正式対応すると発表していますが、5G対応のPixelではソフトウェアの対応ではカバーできないと思われるn79非対応という問題があります。
今回はn79非対応でどの程度ドコモの5Gエリアに支障が出るのかについて、簡単に説明します。
東名阪の広いエリアは4.5GHz帯(n79)が多い
ドコモの5G周波数は「1つの基地局で幅広くカバーする数百Wの高出力局」と「スポット的にカバーする数十W以下の低出力局」の大きく二つに分けられます。
基本的に都心では駅・繁華街やイベント会場などを敢えて1つの基地局あたり狭く(低出力で)カバーして収容できる人数を増やし、ベッドタウンや郊外といった住宅街などでは1つ基地局で効率的に広くカバーする高出力局が用いられます。
しかしながら3.7GHz帯(n78)は既存で利用されている衛星通信との干渉を避ける必要があり、特定の場所で規定の電波強度以下としなければなりません。
そのため特に干渉相手が多い東名阪地域では、高出力局でカバーする際は(航空機の電波高度計との干渉は考慮する必要がありますが)衛星干渉の厳しい規定がない4.5GHz帯(n79)を用いることが多いです。
つまり、n79非対応機種はこのような東名阪の面的にカバーされている5Gエリアではほとんど5G通信ができず、大半が4Gに落ちてしまうということになります。
実際に筆者が近畿で確認した限りでは、大阪平野内の地域は面的にカバーされている高出力局のほとんどが4.5GHz帯(n79)のエリアでした。
山を越えた先の和歌山県や滋賀県北部などに行かなければ、3.7GHz帯(n78)の高出力局はなかなか見つけられません。
なお過去にNTTドコモが総務省に提出した資料では、5G向け3.7GHz帯(n78)との干渉相手が図示されています。
この干渉相手が存在する付近の地域(特に平野部)では、4.5GHz帯(n79)でなければ高出力局の運用は厳しいと考えられます。
とはいえ干渉相手から遠い地方都市などでは、高出力局でも可能な限り3.7GHz帯(n78)を用いているようです。
4G以下のエリアには支障はない
5Gではエリアに支障をきたしますが、一方で4G以下は全く支障なく使えます。
近年ドコモのスマートフォンで非対応になりがちな3Gまでも800MHz帯(B6/B19)に対応し、4G契約のドコモユーザー・格安SIMのユーザーは何も考えずに乗り換えて良いでしょう。
ただしahamoを含む5G契約のドコモユーザーは、5Gによる高速通信の恩恵を受けられるエリアが狭くなります。
Pixel 6シリーズ問わずですが、n79非対応機種の購入を検討している場合、これを念頭に置いたほうが良いかもしれません。
画像:Google
参考文献
株式会社NTTドコモ「3.7GHz帯, 4.5GHz帯, 28GHz帯における5G導入に係る周波数共用検討」2018年4月27日(総務省への提出資料)
総務省 電波利用ホームページ – ドコモ3.7GHz帯(都道府県・市区町村等で絞ってください)
総務省 電波利用ホームページ – ドコモ4.5GHz帯(都道府県・市区町村等で絞ってください)
※4.5GHz帯のような包括免許は最大の出力で表記されているため、この中に低出力局も含まれています。
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