現在サムスンではGalaxy SシリーズなどのフラグシップにはSnapdragon 8シリーズやExynosといったハイエンドプロセッサを搭載しています。
しかし、このスマートフォンの最重要部分ともいえるAP(アプリケーションプロセッサ)を完全に内製化しようという動きがサムスン内部で起きているようです。韓国のメディア、アイニュース24が報じています。
GOS問題に対処も根本的解決にはならず
サムスンはGalaxy S22シリーズでGame Optimizing Service(以下GOS)というアプリを利用し、意図的なパフォーマンス低下を行ったとして炎上しました。
すぐさまアップデートで修正を行い、過剰なパフォーマンス制限を行わない選択肢が設けられました。
しかし、発熱しやすいAP(Snapdragon 8 Gen 1やExynos 2200)を搭載している以上、高負荷時において長時間安定したパフォーマンスを得ることが難しく、根本的な解決にはなりませんでした。
発熱の問題はArmのCPU IPにあり?
よく「サムスンの製造プロセスに問題を抱えている」と言われますが、発熱に関してはこれだけが問題ではない可能性があります。
近年のAndroid向けハイエンドAPは一般的にArmが設計したARMコアを採用しており、Cortexなどがこれに当たります。このARMコアの設計が発熱や消費電力の高さに影響を及ぼしているのではないか、と考えられているようです。
そしてこの問題を回避するにはAppleのM1チップのような「AP内製化」を実現する必要があるわけですが、サムスンはその”独自AP”の開発を前向きに検討しているとのことです。
自社APのハードルは高い
とはいえ、自社のAPを製造するには非常に高い技術と多額の資金を要します。
また実現するには長い時間をかけて開発する必要があり、そう簡単にはAppleのような完成度の高いAPを作ることはできないでしょう。
なお中国メーカーは数年前より「AP内製化」実現のために投資と開発を続けており、OPPOでは2024年に実際の製品で採用されるという噂が浮上しています。
サムスンはこの時期までに内製化を達成できるでしょうか。今後の動向に期待です。
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画像:Samsung
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