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今年はGalaxy Unpacked 2021の初開催が例年より早く、それに伴ってSシリーズの発売も早まりました。
今回はそのS21シリーズの最上位機種であるGalaxy S21 Ultraを入手したので、さっそく国内利用可否の調査と共に簡単なレビューを行いたいと思います。
これは何?
Galaxy S21 Ultra 香港版 ファントムシルバーです。筆者は12GB/256GBのモデルを約14.4万円で購入しました。
以下レビューする機種の抜粋したスペック表です。
モデル名 | SM-G9980 |
2G GSM | GSM850/GSM900/DCS1800/PCS1900 |
3G WCDMA | B1/B2/B5/B8 |
4G FDD-LTE | B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/ B18/B19/B20/B25/B26/B28 |
4G TDD-LTE | B34/B38/B39/B40/B41 |
5G Sub-6 FDD | n1/n3/n5/n8/n28 |
5G Sub-6 TDD | n41/n78/n79 |
SIM | nano+nano Dual(5G+4G) |
WiFi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHz |
Bluetooth | 5.2 |
その他 | NFC/GPS |
ディスプレイ | 6.8インチ Dynamic AMOLED 2X |
リフレッシュレート | 10-120Hz(可変) |
解像度 | 1440 x 3200 |
画素密度 | 515ppi |
寸法 | 75.6 x 165.1 x 8.9 mm |
重量 | 227g |
端子 | USB Type-C |
スピーカー | ステレオ |
プロセッサ | Snapdragon 888 (2.84GHz,2.4GHz,1.8GHz) |
メモリ/ストレージ | 12GB / 256GB (外部メモリ非対応) |
Androidバージョン | 11(One UI 3.1) |
バッテリー容量 | 5000mAh |
急速充電 | 25W(有線)/15W(ワイヤレス) |
リアカメラ | ①超広角 12MP F2.2 ②広角 108MP F1.8(OIS) ③望遠 10MP F2.4(光学3倍) ④望遠 10MP F4.9(光学10倍) ⑤レーザーオートフォーカス |
インカメラ | 40MP F2.2 |
動画撮影 | 8K/4K |
生体認証 | 指紋(画面内)/2D顔認証 |
防水・防塵 | IP6X/IPX8 |
備考 | Sペン対応 |
ソース:Samsung HK
赤字は日本のキャリアで採用されているバンドです。
箱は先代と比べ約半分程度の厚さになりました。
同梱品はかなり削減され、SIMピン・スタートガイド・Type-Cケーブル・本体のみしかありません。
上部はマイク穴が2つあります。
本機種も先代と同じくイヤホンジャックはありません。USB Type-C端子が中央にあります。またSIMトレイが下部に移動しました。マイク穴とスピーカーもあります。
左側面にはアンテナライン2本以外特に何もありません。
右側面は音量ボタン、電源ボタンがあります。カメラが側面と一体になっているデザインです。
全体的にアンテナラインが先代モデルと比べ増加しており、平均通信速度が先代より速そうです。
ディスプレイ側です。先代のNote20 Ultraで既にかなりの狭ベゼルだったため大きな驚きはありませんが、より狭ベゼルになっている気がします。パンチホールのサイズはインカメラ高画素化の影響か若干大きくなっているようです。
※画面が赤いのは日光によるものあり、決して故障しているわけではありません。
背面です。カメラ部分が大きく出っ張っています。すりガラスとなっており、指紋がつきにくいです。
モバイルデータ利用可否
バンドが対応していても使用できない、というケースがあるので、モバイルデータの利用可否についても検証しました。
※なお本機種は技適未確認のため、日本国内在住の方に利用を推奨するものではありません。ご了承下さい。
結果の前に各キャリアの対応バンド表をおさらいします。
3G (MHz) | 850 | 900 | 2100 |
docomo | VI/XIX | – | I |
au | (BC0) | – | (BC6) |
Softbank | – | VIII | I |
Rakuten | – | – | – |
auは3Gに対応していなくても問題ありません。docomoは5G契約のSIMであれば3Gを考慮する必要はありません。なお楽天は3Gのサービス自体行っていません。
3Gに対応していなくても、VoLTE通話に対応していれば通話は可能です。
4G LTE (MHz) | 700 FDD | 800/850 FDD | 900 FDD | 1500 FDD | 1800 FDD | 2100 FDD | 2500 TDD | 3500 TDD |
docomo | B28 | B19/B26 | – | B21 | B3 | B1 | – | B42 |
au | B28 | B18/B26 | – | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Softbank | B28 | – | B8 | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Rakuten | – | (B18/B26) | – | – | B3 | – | – | – |
5G NR (MHz) | 700 FDD※ | 1800 FDD※ | 2500 TDD※ | 3500 TDD※ | 3500/3700 TDD | 4500 TDD | 28000 TDD |
docomo | – | – | – | n78 | – | n79 | n257 |
au | n28 | (n3) | (n41) | n78 | n78・n77 | – | n257 |
Softbank | n28 | n3 | – | n77 | n77 | – | n257 |
Rakuten | – | (n3) | – | – | n77 | – | n257 |
※ 4G向けに割り当てられた周波数の転用5G
赤太字はスペック上で本機種が対応しているバンドです。
また携帯電話の周波数については、より詳しくまとめている記事も投稿しているので、こちらも併せてご覧ください。
以下検証の結果です。
docomo | au | Softbank | Rakuten | |
3G | △ | – | ○ | – |
4G | ○ | ○ | ○ | ○ |
VoLTE | ○ | ○ | × | ○ |
5G | ○ | △ | × | × |
Rakuten Link | – | – | – | ○ |
docomoでは3GがB1のみ可(FOMAプラスエリア不可)で、4G、5Gは共に対応するバンドで全て利用可能でした。VoLTE通話が可能なので、4G契約かつ3Gのみの僻地に行かない限りは問題ないでしょう。なお5G契約では3Gは利用できません。
auは4Gと5Gで対応するすべてのバンドで利用可能でした。ただしn28(700MHz帯)は香港版だと有効化されていないため、利用できません。なお4Gからの転用5G(3.5GHz帯)、VoLTE通話やSMSは可能です。3Gは2022年3月末に停波予定であり、現在一般的なVoLTE対応SIMでは利用不可なので検証していません。
Softbankは3Gと4Gの対応する全てのバンドで通信可能でした。5Gはバンドが合致せず、n3やn28も香港版では有効化されていないため利用できません。他のGalaxy同様、通話はVoLTE非対応(3G通話可能)で、SMSは利用可能です。
Rakutenは4Gの自社回線・パートナーエリア共に通信・通話・SMSが利用可能です。5Gは周波数が非対応のため利用できませんが、Rakuten Linkは支障なく利用できます。
なおB1・B3・B8・n79・n78を絡めたCA(キャリアアグリゲーション)およびENDC(E-UTRAN NR デュアルコネクテビティ)をキャリア問わず利用することができます。
※2022年1月23日追記
One UI 4以降(Android 12)はドコモのSub6-CAが利用できるようになりました。なおNRのCAには専用の設計が必要なため、香港版や台湾版および中国本土版以外のS21 Ultraで利用できるか、またUltra以外のS21シリーズでSub6-CAが利用できるかは不明です。
ベンチマーク結果
本機種はSnapdragon888搭載のモデルです。パフォーマンスの指標としてantutu v8.5.3およびGeekbench5.2.5のスコアを計測しました。
屋外の低温環境下で計測したので参考値にはなりますが、antutuは70万点の大台を突破しました。常温では65~68万点が平均だと思われます。
Geekbenchは先代のSnapdragon865および865+と比較して微増という印象です。
確実にパフォーマンスは上がっているのですが、どちらかというとCPUの性能差よりもストレージ性能の差を感じることが多いです。スペック表に記載されていなかったので詳細は不明ですが、先代のS20+やNote20 Ultraと比較してデータの読み込み、アプリのインストールなどが明らかに高速に感じます。
※追記 AnTuTuがバージョン9の公開ベータ版をリリースしたので、後日こちらのバージョンでも計測しました。
調子が良ければ80万点を大幅に超えるようです。
望遠性能も向上
Note20 Ultraと望遠性能の比較を行いました。
まずは1倍の画像です。昼間だと空の色以外は大きな差がありません。
続いて10倍の画像です。明らかに画角が違いますが、より鮮明なのはS21 Ultraです。
最後に50倍の画像です。Note20 Ultraでは全体的にぼんやりしているのに対し、S21 Ultraでは背後にある建物の壁の質感まで分かるほどハッキリしています。
このように、若干ですが望遠性能も向上しています。またS21 Ultraに関しては更に100倍までズームすることができます。ただ100倍までズームが必要になる場面はあまりないので、おまけ程度の機能ですね。
バッテリー持ちが大幅改善
最も明らかな差を感じるのはバッテリー持ちです。どのような使い方をしても明らかに電池持ちが良いです。逆にゲームをしなければ1日で使い切ることが難しいです。
特に違いを感じるのは5G利用時です。先代のS20+やNote20 Ultraでは5Gエリア内で利用すると5分に1%程度のペースで減っていましたが、S21 Ultraでは8~10分に1%程度のペースとなりました。ほぼ倍くらい持つので、5Gエリアで利用すると1日持たないという問題が解決されました。
もちろん使い方によっては1日で電池切れを起こす場合はありますが、高リフレッシュレートでも十分なバッテリー持ちを確保できたことは素晴らしい進化だと思います。
指紋認証がより使いやすく
また本機種では画面内指紋センサーが新世代となり、認証できるエリアも70%拡大したとのことです。
実際に利用してみると、確かにちょっと指がズレてもロック解除できるようになっています。ほかにも精度・速度どちらも向上しており、今まで通らなかった乾燥した指でも瞬時にロック解除できるようになりました。
筆者はあまりGalaxyの指紋センサーとは相性が良くなく、毎日指紋を登録し直したりしていましたが、本機種ではその手間もなくなりました。これだけで機種変する価値があると感じました。
普段使いで発熱は特になし
発熱しやすい?と噂されているSnapdragon 888ですが、基本的にFHD+解像度・高リフレッシュレート条件での普段使いでは発熱することはありません。むしろこの条件ではSnapdragon 865の先代モデルよりも発熱が少なく感じます。
試しにアスファルト9を30分プレイしたところ、34度程度で落ち着いていました。なお室温は20度付近で、本体の温度はプレイ直前で28度でした。
その他様々なアプリやゲームを試しましたが、基本的に40度程度からパフォーマンスを下げて発熱を抑える傾向があるようです。なので、通常モードであれば炎天下の直射日光に晒さない限り、熱暴走する可能性は限りなく低いでしょう。
まとめ 地味な改善が最大のアップデート
◎良いところ
- 使ってみないと気づかない所々の改善
- 美しい筐体
- 値段が下がってより求めやすくなった
✕悪いところ
- 重い
- ケースと充電器が付属しなくなった
- SDカード非対応
スペック表で分かる性能向上はもちろんのこと、スーパー手ブレ補正モードで60fps動画が撮影できるようになった点、電池持ちの大幅向上、ディスプレイ発色がより美しくなったことなど、使えば使うほど地味なアップデートに気付かされ、より買って良かったと感じます。
カメラデザインも大きく変化し、耐久性が向上したのも良いポイントです。サムスンの発表会ではわざわざ時間を割いてブラックのカラーリングを大々的に宣伝していましたが、見る角度によって様々な顔を見せるシルバーもかなり良いカラーです。
ただケースなしで227~229gと非常に重いです。純正のペン付きケースをつけると合計で300gを超えるのではないのでしょうか…。購入予定の方は腱鞘炎に気を付けた方が良いでしょう。ちなみに普段から200g超えのスマホを片手で使っている筆者は慣れました。
もう一つ残念な点が付属品がかなり減ってしまったことです。充電器はどちらにせよ国内版だと無かったことにされるので問題ないですが、透明ケースがなくなったのは非常に残念です。ただメジャーな機種なのでケースに困らないうえ、端末の値段もその分安くなっているので妥協ポイントだと思います。なお引き続きフィルムは貼り付けられています。
そして今回SDカードスロットが廃止となりました。普段使っている方なら非常に残念に感じる方も多いでしょう。国内版はSIMスロットが1個しかないので純粋な改悪となってしまいました。また国内版はおそらく256GBのみの販売と予想されるので、クラウドサービスへの移行を余儀なくされる方もいるかもしれません。
今年は更に完成度を高めてきており、S20シリーズから乗り換える価値も十分にあると感じました。ただし若干スペックダウンしたところもあるので注意が必要です。
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