執筆:ヤハウェスティック
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Galaxyの最新ミドルスペック機であるGalaxy A54 5Gが3月31日に台湾で発売されました。
発売日に購入して1週間ほど使ったので、実際に使用してみたレビューをまとめます。
なお筆者は先代モデルであるGalaxy A53 5Gを日常的に使用しているため、比較しながらのレビューもしていきます。
管理人
管理人が執筆したものになりますが、先代機種となるGalaxy A53 5Gのレビューは以下をご覧ください。
スペック
WiFi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHz |
Bluetooth | 5.3 |
ディスプレイ | 6.4インチ Dynamic AMOLED 2X |
リフレッシュレート | 最大120Hz |
解像度 | 1080 x 2340 (FHD+) |
寸法 | 158.2 x 76.7 x 8.2 mm |
重量 | 202g |
プロセッサ | Exynos 1380 2.4GHz, 2.0GHz |
メモリ/ストレージ | 6GB / 128GB 8GB / 256GB |
バッテリー容量 | 5000mAh |
リアカメラ | ①広角:50MP (F1.8) ②超広角:12MP (F2.2) ③マクロ:5MP (F2.4) |
インカメラ | 32MP |
生体認証 | 指紋(画面内)/2D顔認証 |
備考 | Micro SD対応(SIM2と排他利用) |
型番は中華圏向け型番であるSM-A5460で、今回筆者が購入したのは8/256GBの上位モデルです。
価格は15,990ニュー台湾ドルで、日本円換算は発売日のレートで約69,600円でした。下位モデルの6/128GBモデルは13,990ニュー台湾ドルで約60,800円です。
なおSIMカードの仕様は、SM-A5460については物理デュアルSIM(2枚目はmicroSDとの排他使用)となっており、日本向けを含む他モデルで対応したeSIMには対応していません。
外観
色は無難そうなオーサムホワイトを選択しました。
A54の背面は光沢のあるガラス製、フレームはアルミ製です。
昨年までのAシリーズからデザインが大幅に変更され、ぱっと見の印象はGalaxy S23にかなり近くなっています。
ベンチマーク
本機はSoCにExynos 1380が搭載されています。
AntutuBenchmark v9とGeekbench 5、6でそれぞれスコアを計測しました。参考程度にご覧ください。
AntutuBenchmark v9
AntutuBenchmarkでは51万点台と、Snapdragon 778Gや855搭載機などとほぼ同程度のスコアが出ています。
Geekbench
Geekbenchでは5、6のいずれもシングル、マルチともに2,3年前のハイエンド機並のスコアとなっています。
実際に使用する上では、ベンチマークのスコア以上に快適に感じています。特に筆者はPicture in Picture(再生中の動画を他のアプリの上に重ねて表示する機能)でYouTubeを再生しながらTwitterを閲覧することが多いのですが、A53ではカクつくことが多かったのが、サクサク動いてくれました。
ベンチマークで同レベルのスコアを出している3年くらい前のハイエンド機を中古で買うよりも、このA54を買ったほうが良いと思います。
カメラ性能
A54に搭載されているメインカメラは広角、超広角、マクロの3つで、先代のA53からは深度測位センサーが削られています。
いくつか簡単に作例を撮りました。
広角レンズについては、昼間の風景撮影においては特に問題はありません。樹木を拡大して見るとディテールの潰れが見受けられますが、ミドルスペック機としては十分な画質に感じます。
一方超広角についてもある意味ミドル機らしい写りとなっています。綺麗とは言えませんがSNSに投稿して閲覧する分には問題ないでしょう。
夜景も最近のミドル機としては十分です。大きな白潰れや目立ったノイズも特になく、スマホの画面で見る分には普通に綺麗です。
一方最近のミドル機に搭載されがちなマクロレンズですが、写りは正直あまり綺麗ではありません。
マクロモードは明るさを持ち上げようとする傾向があり、そのせいでノイズがかなり乗ります。ちなみにA53と比較して最長の合焦距離が1cmほど伸びています。
筆者はマクロモードは全然使いませんし特に何も期待していませんでしたが、今後も使うことはないでしょう。普段物を接写するときはS22 Ultraの望遠レンズを使っています。
カメラの総評
カメラの画質は総評すると、「十分」です。
そもそもミドル機を買う層は主にSNSに投稿することが目的で写真を撮ることが多いと思いますが、SNSにアップロードする段階で画像は圧縮されますし、見る側も細部を拡大して見るという人はあまりいないのではないでしょうか。A54で撮る写真はその目的を十分果たす写りです。
なお、今回作例を撮影するにあたってA53とも比較しましたが、超広角レンズの撮影後の歪み補正が若干強化されていることに気付きました。
カメラを天井に向けて撮影した写真の比較です。天井のパネルの境界線を見るとA54の写真は綺麗に直線が描かれています。
それ以外はほぼ同じ写りでしたので、作例を比較しての詳細なレビューは今回はしません。
画質に関する内容ではありませんが、SoCの処理能力の向上に伴って、写真撮影時のシャッターラグや撮影した後の補正にかかる時間は大幅に改善されていました。モタモタとしたカメラのためにシャッターチャンスを逃すようなことも少なくなるでしょう。
ポートレートモードで撮影した直後にその写真を開いたときの時間で比較すると、A53では処理が完了するまでに5秒かかっていたのが2秒ほどに短縮されました。
また、A53では夜景モードが暴発する問題について過去に弊サイト管理人のブダステが指摘しており、自分もこの現象に悩まされていました。
検証したところ、この問題は改善されていました。
明るい部屋の中で黒い財布の上にA53(左)とA54(右)を並べてかざしたところ、A54は夜景モードを示すマークが表示されていません。
画質は大して進化していなかったものの、カメラ自体の使いやすさが向上しているのが素晴らしいです。
先代A53との比較
その他にA53とA54を比較して気付いた点をまとめました。
スペックの大幅向上
先述のPicture in Pictureの快適性や写真の処理に加え、指紋認証でのロック解除やアプリ切り替えの速度も体感できるレベルで違います。
筆者はA53を台湾におけるメイン機として使用しており、生活に必要なアプリはすべてA53に入れていました。A54はそのA53と入れ替える目的で購入しましたが、入れ替えて正解だったと思えるくらい快適になりました。
スペックが向上してもっさり感がなくなったこともあり、手持ちのS22 Ultraを使っていると勘違いしたことも一度ありました。
バッテリー持ちはやや改善
Galaxyは初回セットアップ直後は最適化の関係でバッテリー消費が大きくなりがちなため、1週間ほど使った後の状態で比較しました。SIMは2枚挿しで常にデュアルスタンバイ状態です。
A53と比較すると長持ちはしています。
筆者はそもそもスマホを使う時間が短いので丸2日充電なしで使えていますが、一日フルで使いまくったとしても余裕で持つと思います。また、残量100%からのセルスタンバイの消費は、デュアルスタンバイでも一晩で2%でした。
ただしA53のバッテリーは丸一年の使用により劣化していることを含めて考えると、新品状態同士で比較すれば差は言うほど大きくないのかもしれません。
スピーカー音質は少し劣化
A53の良かったところは非常に良いスピーカー音質で、管理人が過去に投稿したレビュー記事でも高く評価している点でした。
しかしA54ではスピーカー音質は劣化しており、低音が若干スカスカしたような感じがします。
とはいえステレオスピーカー搭載で、音割れも特になく、聴くに耐えないほど悪いというわけではありません。
重量と寸法が増した
筆者はあまり気にしていませんが、重量は202gでA53より13g重くなっており、本体寸法も厚さが増しています。その上ディスプレイサイズは縦の長さが数mm短くなっているため、持ったときの印象はかなりずっしりとしています。
人によっては持ちにくいと感じるかもしれませんので、気になる人は店舗でモックアップを持って確認するのがいいでしょう。
まとめ Aシリーズ史上最高のサクサク感
総評としては、かなり快適で使っていてストレスを感じない、満足度の高いスマホです。
欠点と言えるほどの要素は重量くらいしかなく、とても軽快な動作で、一世代前のハイエンド機にも迫る快適さです。筆者はGalaxy A50シリーズを2019年のA50から毎年サブ機として購入しているA50狂ですが、感動レベルは過去最高です。
また価格面では、昨今の輸送コストなどの高騰によってこの機種も値上がりすることを覚悟していましたが、削減できる部分のコストを削減してなんとか価格を抑えようというSamsungの企業努力も見えました。
特に深度測位センサーを削ったことについては、SoCの処理で十分な画質を確保できているためこの判断は良かったと思います(個人的にはついでにマクロレンズも削って更にコストカットしてほしかったですが)。
日本では6/128GBモデルのみ国内発表されました。
メモリが6GBなのは惜しいですが、先代のA53 5Gとは異なりデュアルSIM(物理SIM+eSIM)に対応したことは嬉しいポイントです。
価格については、円安の影響やおサイフケータイ対応などのコストによって台湾での定価約60,000円よりも若干高くなると筆者は予想します。高くとも65,000円前後には抑えてほしいところです。個人的には2022年がスペック的にも価格的にもミドル不作の年という印象だったため、A54にはなおさら期待しています。
一つ心配があるとすれば、RAM2GBの差が実際の使用上どれほどの影響を及ぼすのかというところです。少なくとも筆者が訪れた台北市内の直営店のデモ機は8GBモデルしかなく、6GBモデルの動作は確認できていません。
ただ、少なくとも写真撮影後の処理時間短縮は純粋にSoCのスペックアップに起因するものですので、正当に進化していると言えるでしょう。
Galaxy A54 5Gは、迷ったらコレ、と誰にでもおすすめできる一台です。
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