2022年7月2日から数日間にかけて、auではデータ通信よおび通話が繋がりにくい、または繋がらない史上最大規模の通信障害が発生しました。
auの回線を利用したものはほぼすべてが影響を受けたこと、また48時間以上影響が続いたことから、大きな問題となりました。
このことから「au回線はダメ!他社に乗り換えよう」や「予備の回線を契約して万が一に備えよう」と考えている、またはもうすでに実行した人も少なくないはずです。
しかし、これは正しい選択肢ではないかもしれません。
乗り換えてもリスクは同じ
実は乗り換えても通信障害のリスクは避けられず、今までと変わらないリスクの高さです。なぜかというと、ドコモやソフトバンク、楽天モバイルも同様に通信障害のリスクを常に抱えているからです。
実際に直近で大規模だった他社の通信障害を振り返ってみます。
ソフトバンク通信障害(2018)
2018年12月6日、ソフトバンクの4Gサービスが約4時間半ほど繋がりにくくなる大規模な通信障害が発生しました。この障害の被害は3060万件にも及び、ソフトバンク回線のほとんどが影響を受けたとみられます。
この障害が引き起こされた原因は、ネットワーク設備で使用している装置のソフトウェア不具合でした。
このことから、通信事業者の直接的なミスがなくとも通信障害は発生する可能性があることが分かります。
ドコモ通信障害(2021)
続いて2021年10月14日には、ドコモで大規模な通信障害が発生しました。完全復旧には約29時間かかったとされています。こちらの影響人数は1290万人とされていますが、実際に影響を受けている人はもっと多かったように感じています。
障害のきっかけはIoTの機器を制御するサーバーの不具合とのこと。不具合に対処するため設備の切り戻しを行った結果、大量のIoT機器が通信を行い、アクセス集中(輻輳)により長時間の障害が発生したと説明されています。
つまりきっかけは異なるものの、今回のauにおける通信障害に似た原因で長引いたようです。
このように、他社に乗り換えたとしても通信障害が起きないとは限りません。そのため「他社へ乗り換え」ではなく「他社の回線を新たに契約する」が通信障害に対するリスク低減の答えとなります。
執筆現在では、月1,000円以下の非常に安価なプランが数多く存在します。今回は障害の影響を受けてしまいましたが、基本料0円で都度課金を行うpovo2.0は(サポートに目を瞑れば)予備の回線として非常に優秀で、メインの回線がau以外の方はオススメです。
また家族でau、ドコモ、ソフトバンクなど別々の回線を契約することもリスク分散に繋がります。これは詳しくない方にもオススメできる対策です。
複数回線契約も費用対効果を考えて
しかしながら複数回線契約では、1回線だけ契約するよりも多くの費用がかかります。たとえ月額1,000円の安価なプランを予備として契約したとしても、年間12,000円ほどの負担増になります。
これが高いのか安いのかは個人の主観によりますが、ここまで重大な通信障害の頻度はあまり多くないのが事実です。
そのため通信障害が起きた場合の損失額と、継続的に予備の回線を契約する費用を天秤にかけて、予備の回線を契約するか判断した方が良いと思います。
よほどのことがない限り、大半の個人では通信障害によって数万円規模の大きな損失は起こらないはずです。代替の通話や通信手段の選択肢は多数存在しており、その中には無料で利用できるものも存在します。
そういった代替の手段が有事の際に利用できるのかなどを比較しつつ、予備回線を持つべきであると判断した人だけが複数回線を契約すべきでしょう。
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参考
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