以前よりmineoと楽天モバイルのデュアルSIMで月額990円~1,265円でデータ通信と通話を使い放題にする、という組み合わせが流行しています。
しかし新料金プランRakuten UN-LIMIT Ⅶにより、2022年7月から楽天モバイルの0円維持が不可能になってしまいました。
多少の移行措置期間があるにしても、今後0円維持ができなくなることは確定的です。そのためどちらか一方に絞るという考えの人も多いかと思います。
今回はいずれか一方に絞る場合のメリットとデメリットを、mineoと楽天モバイル両方を契約している筆者が詳しく解説します。
楽天モバイル1本のメリット
まず楽天モバイル1本に絞る一番のメリットは「高速通信が可能で、ラッシュ時間や昼間に遅くなりにくい」ということでしょう。MVNOのような「必ず発生する時間帯による混雑」はほとんどなく、電波が良好でなおかつ5Gが利用できれば、混雑の影響はほぼ受けません。
Rakuten UN-LIMIT Ⅶでは3GBまでが1,078円となっています。そのため3GB以内に収めることが出来る人にとっては十分安く、楽天モバイル1本に絞ることも悪くない選択肢でしょう。また最悪データ通信を多く利用する月があるという場合でも、上限3,278円で使い放題にすることが可能です。
使い放題の契約にしている人の中でも実はあまり使っていない、というケースはよくあります。一度通信量を通信事業者のページや端末の設定などで「自身が毎月どの程度データを消費しているのか」を確認してみることをオススメします。
また電話をよくかける人も楽天モバイル1本で足りるかもしれません。引き続きRakuten Linkは無料で利用でき、通話に関しては従来と変わらず一部を除いてかけ放題となっています。
楽天モバイル1本のデメリット
ただし楽天モバイルでは「屋内で繋がりにくい」ということが一番の問題です。「旅行はしないから田舎で繋がらなくても問題がない」と考えるのは大間違いで、楽天自社回線エリア内であっても屋内で圏外になる場所がau・ドコモ・ソフトバンクと比べても圧倒的に多いです。
これは楽天モバイルが1GHz未満の周波数、いわゆる「プラチナバンド」を所有していないことから起こる問題です。楽天モバイル1本にする場合、この点は妥協ポイントと言えます。
ただ人によって使い方は様々なので、そういった圏外になる場所に全く遭遇しないという人もいます。今まで楽天モバイルを使ってきて特に問題なさそうであれば、これ1本に絞っても良いかもしれません。
mineo1本のメリット
続いてmineo1本にするメリットですが、やはり一番は「回線が安定している」ということに尽きます。3社の回線から選ぶことができる点も大きいでしょう。
mineoでは基地局の設備をau・ドコモ・ソフトバンクからそのまま借りているため、繋がりやすさに関しては大手各社と全く一緒です。そのため楽天モバイルに比べて「屋内で圏外になる」というリスクはかなり低くなります。当然このリスクがゼロになることはないですが、これは上記の大手3社でも同様です。
また、かけ放題のオプションを付けても意外と安く抑えられます。1回の通話で10分以上かけることがない場合、月額550円の10分かけ放題で最安1,540円の運用が可能です。
これは2022年7月以降に楽天モバイルとmineoのデュアルSIM運用を行うよりも528円安く、十分実用的です。
なお楽天にてMNP予約番号の発行や、mineoでSIMカードの交換など各種手続きが必要になりますが、楽天モバイルの電話番号を既存のmineo回線に上書きし、契約を統合することも可能です。
mineo1本のデメリット
どうしてもトレードオフとなってしまいますが、mineoは通勤ラッシュや昼間などの時間帯に速度が低下します。こちらは電波の先のネットワークも混雑しているため、5Gが利用できたとしても完全に混雑を解消することはできません。
1.5Mbps以上出ていることが多いので速度が低下するだけなら良いのですが、混雑に伴って遅延(応答速度)が増加してしまうため、通信速度以上に読み込みが遅く感じがちです。
特に最近は使い放題で訴求しているせいか、トラフィックの増加に対して回線強化が間に合っていません。混雑していなさそうな時間帯でも「読み込みが遅い」と感じる機会が以前より増えました。
もちろん日々回線強化を行っているので改善もされます。しかし、データ通信の質において改善と悪化が繰り返されることは念頭に置いたほうが良いでしょう。
まとめ
○楽天モバイル1本に絞ったほうが良い人
- 時間帯による混雑が嫌
- 低速での使い放題に不満がある
- 基本は3GBで足りる
- 電話をよくかける(特に1回10分以上)
○mineo1本に絞ったほうが良い人
- 楽天モバイルの安定性に不満がある
- 低速の使い放題でも良い
- 月に3GB以上使っているが安く抑えたい
- 電話をかけても1回10分未満
端的に言うと「時間帯による混雑を避けたいか」「繋がりやすさを取るか」の二択になりそうです。
筆者の自宅は楽天モバイルのエリアマップ上だと5Gの圏内ですが、5Gが繋がらないどころか4Gすら圏外になります。AndroidでもRakuten Linkすら着信が来ず、不在になってしまうことが頻繁にあります。
このように「ハズレエリア」とも呼べる状況は、プラチナバンドがない楽天モバイルでは頻繁に発生します。
ということで筆者は「価格を抑えたい」という場合でも、mineoやそのほか格安SIMをオススメしています。もちろん問題がないと判断した場合は楽天モバイルだけでも良いと思いますが、こういった特性は十分理解したほうが良いです。
※注意事項
注1:楽天モバイルは1日に10GB以上データを使用した場合、通信速度が制限(最大3Mbps/翌日に解除)されます。
注2:他社からMNPでmineoに契約を統合する際、mineoが音声通話対応(デュアルタイプ)の場合はサポートダイヤル(0120-977-384/年中無休・9:00-21:00)へ相談が必要です。
注3:mineoにおいて、マイそくやパケット放題Plus適用中に直近3日間で10GB以上データ通信を行った場合、直近3日間の累積データ使用量が10GB未満になるまで通信速度が制限(マイそく:最大32kbps/330円課金で低速解除可、パケット放題Plus:最大200kbps/低速解除不可)されます。
参考
2022年7月1日スタート予定!Rakuten UN-LIMIT VII(料金プラン) | Rakuten UN-LIMIT VI(料金プラン) | 楽天モバイル
コメント