SHARPより、2022年春夏モデルとしてAQUOS sense6sおよびAQUOS wish2が発表されました。
これらは以前より発売されているAQUOS sense6およびAQUOS wishと全く同一の筐体です。変更された点といえば、いずれもSnapdragon 695搭載になったことくらいしかありません(ただし一部で異なるカラーバリエーションが用意されています)。
一体なぜこのような顧客が混乱しかねないマイナーチェンジが行われたのでしょうか?
本サイトでは事実を挙げつつ、簡単に考察してみます。
従来のプロセッサはいずれもサムスンの製造
AQUOS sense6はSnapdragon 690、AQUOS wishはSnapdragon 480搭載となっています。
この2つのプロセッサ間でさほど大きなパフォーマンス差はないものの、ミドルクラスとエントリークラスでうまく棲み分けができていました。
一見共通性がないようにみえる2種類のプロセッサですが、これらはいずれもサムスンの8nmプロセスで製造されています。
一方Snapdragon 695はTSMCの6nmプロセスで製造されており、そもそもの製造元が異なるということが分かります。
生産の合理化とリスク分散が目的か?
実際にサムスンの8nmプロセスに問題が発生しているかは定かではありませんが、このプロセスに問題が発生しているか、もしくは問題が発生してもある程度対処できるように、リスクを分散させる意図があるように思われます。
執筆時点で半導体不足は未だに続いており、同じプロセッサが思うように調達できないのは、SHARPに限らずどのメーカーでも起きているはずです。メーカー各社とも何とかして調達していると思われ、同社も調達に苦労しているのかもしれません。
またリスクを分散するだけでなく、同じ筐体を採用することで、設計・生産ともにコスト削減に繋がると考えられます。これにより利益率の向上や、低価格化が実現できるでしょう。
もしかしたらSnapdragon 695は480および690と物理的に似ており、筐体の使いまわしが容易であることから選ばれたのかもしれません。
このようにメーカー視点で考察してみると、プロセッサだけ置き換えたマイナーチェンジは、割と合理的であることが分かります。
SHARPが公式で発表していないので実際の理由は定かではありませんが、概ね上記のような理由であると考えられます。
ただ個人的にはAQUOS senseとwishで同じプロセッサを搭載するとなると、値段差からも前者の販売台数が伸びるのか心配になってしまいます。
杞憂で済めば良いと思いつつ、今後の売れ行きに期待です。
画像:SHARP
参考
Snapdragon 695 5G Mobile Platform | Qualcomm
Snapdragon 480 5G Mobile Platform | Qualcomm
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