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ドコモ5Gの「パケ詰まり」の原因は?あれから改善された?実際に調査してみた

5G

先月から頻繁に発生が報告されていたドコモの5Gエリアで通信エラーとなる問題ですが、公式での発表通りに6月末より順次ネットワークの調整が行われたようです。

どうやら全国の5Gエリアで一斉に品質向上を行うわけではなく、一部エリアから順次更新するという形で行われているようで、改善傾向がみられる5Gエリアの報告がインターネット上でも散見されます。

筆者も改善傾向がみられるエリアにて、何故このような「パケ詰まり」が起きているのか、どのような改善方法が取られたか、実際にこの問題が解決しているのかを調査しました。

※ミリ波は対応端末が現在手元にないため、計測の対象としていません。

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まずは計測してみる

何故このような「パケ詰まり」が起きているのか、Speedtest.netの計測結果を比較して考えてみます。

以下筆者が実際に計測した結果ですが、時刻や場所・端末などといった条件が少しずつ異なる点はご了承ください。

何を書いているのか分からなければ、とりあえず画像だけ見ていただければ大丈夫です。

au 5Gの計測結果
au 5Gでの1枚目と同じ組み合わせと思われる上り通信の内訳(赤下線参照)
ドコモ5G(マクロ局)での計測結果
ドコモ5G(都心の極小エリア)での計測結果

いずれも基地局の前かつ見通しが効く状態で計測しており、それぞれのENDCは以下の通りです。

  1. 受信DC_1A-3A-41C-42A_n78A(100M+100MHz幅)/送信DC_1A_n78A(20M+100MHz幅)
  2. 受信・送信共にDC_1A_n78A(20M+100MHz幅)
  3. 受信DC_1A-19A-21A-42C_n79A(80M+100MHz幅)/送信DC_21A_n79A(15M+100MHz幅)
  4. 受信DC_1A-3A-21A-42C_n78A(90M+100MHz幅)/送信DC_21A_n78A(15M+100MHz幅)

※1 2枚目以外の上りENDCは推定

※2 auではfdcservers.net(東京)、ドコモではRakuten Mobile, inc(東京)のサーバー選択で統一

比較対象にドコモではない他社の5Gの計測結果も併記しています。

今回計測の対象である5GのNRは全てTDD周波数のため、状況によって通信速度が大きく変動しますが、筆者の経験上キャリア関係なくNR100MHz幅(単体あたり)の実効速度は概ね下り600~800Mbps、上り55~80Mbpsの間です。

「パケ詰まり」はトラフィック配分が一因か?

筆者が調査した限り、ドコモの1局で広いエリアをカバーしている5G基地局(マクロ局)では、LTE(4G)にデータがあまり流れない傾向にあるようです。

こちらの画像は見通しが効かない場所で計測している点以外、検証結果3枚目とほぼ同じ条件で計測した追加検証の結果です。

送受信共に大きく速度が落ちていますが、特に上りは顕著で500kbpsすら出ていません。4Gだと同じ場所でも上り10Mbps前後ほどなので、上りに関しては明らかにLTEにデータが流れていないということが分かります。

2021年7月現在、日本のキャリアの5Gは全てLTEと連動が必須な(NR単独では動作しない)NSA方式で運用されています。

つまり理論上はLTEとNRの両方の電波を用いてデータ送受信のやり取りを行うことができますが、ドコモ5Gでは一部のエリアにてLTEの電波にあまりデータが流れないよう、意図的に制限をかけているのではないかと考えられます。

これには様々な理由が考えられますが、恐らくXi(4G)契約のユーザーの通信速度に極力影響を及ぼさないようにするための混雑対策の一環であると筆者は予想しています。

しかしながら5G向けに新たに割り当てられた帯域幅の広いNRの電波は周波数が4Gよりも高く、障害物などによる減衰が従来よりも大きく、陰や屋内に回り込みにくいです。特に人口密集地などのマクロ局は4.5GHz帯(n79)という高い周波数で運用されていることが多く、この減衰が顕著となります。

基地局(下り)側は数百Wという高出力で運用することにより、ある程度は障害物を突破できますが、スマートフォン(上り)側は性能や法的にも0.2Wといった低出力でしか通信することができないため、遮蔽物や障害物による減衰が下り通信よりも顕著となります。これによって「下りは届くのに上りは届かない」という事象が発生すると考えられます。

もちろんこれだけが原因ではないでしょうが、極小5Gエリアではほとんど発生しない点からも、所謂「パケ詰まり」が起きるひとつの可能性として挙げられそうです。

改善したような挙動は見られるが…

6月末より順次改善を行っているようですが、上記の結果にもある通りトラフィック配分は従来と変わらず、ほぼNRで通信している状態で変化なしという結果になっています。

筆者が調査した限りでは「今までよりもちょっとだけNRを放しやすくなった」という結果しか得られませんでした。NRを放すことで5Gから4Gの通信へと切り替わり、パケ詰まりを抑えようとしているようです。

しかしこれでは5Gエリアが狭くなったり、5Gエリア内でもすぐに4Gに落ちてしまうため5Gの意味が全くありません。挙句の果てに全くパケ詰まりをしなくなったかというとそうでもなく、発生頻度が少し低くなった程度という残念な結果となりました。

※一部加工あり

このようにTwitterやYouTube配信といったリアルタイムの通信が継続的に要求されるアプリにおいて、引き続き読み込みが止まる場面が従来同様に目立ちます。

まとめ

一応改善はされたものの、通信エラーが全く起きなくなったというわけではなく、むしろ5Gを掴むエリアが狭まり、以前よりも5Gに繋がりにくくなっただけという結果になってしまいました。

この事象が完全に解決されるより先に、既存の4G周波数を5Gに転用したり、SA構成の5Gサービスが始まりそうな予感がします。

ドコモで安定した5Gを利用できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。


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