Appleは市場規模が縮小していく世界のスマートフォン市場で、唯一成長している企業です。しかし、既に市場の過半数を獲得している日本では売上が減少していると報道されています。
一方で、サムスンは日本で唯一大きく成長しているメーカーとなっているようです。
日本におけるGalaxyの売上が非常に好調であると韓国メディアThe Elecが報じています。
市場シェア2位を獲得
調査会社Strategy Analyticsによると、サムスンは2022年第1四半期に日本のスマートフォン市場の13.5%を占め、Appleの56.8%に次ぐ第2位となりました。9.2%のシャープを抜き、Androidメーカーでは1位を獲得したようです。
日本市場でもスマートフォンの販売台数は概ね2021年第4四半期と比較して減少しているものの、サムスンだけが売上を伸ばしたとのこと。この13.5%というシェアは、過去10年間では2013年第1四半期の14.1%に次ぐ高成績です。
なおThe Elecでは「ミリ波などの5Gマーケティング戦略が成功した」と記述されていますが、筆者はこれが要因ではないと考えています。
2022年、低価格~高価格の幅広いラインナップを通信事業者で展開しているAndroidメーカーは、サムスンやシャープ、ソニー程度しか存在していません。また最も契約者数が多い通信事業者であるNTTドコモでは、2021年以降サムスンを除き海外メーカーの製品を”一切”取り扱っておらず、事実上5G対応スマートフォン(Android)はこの上記3社から選ぶ状態になっています。またFCNT(arrows)や京セラは中高年に根強い人気があるものの、決して勢いがあるようには見えません。そのため結果的にGalaxyが選ばれる機会が増加していると言えそうです。
また日本、とくに晩年NTTドコモで複数のラインナップを展開していたLGは、急遽スマートフォン事業をグローバルで終了、撤退してしまいました。当然ですが、これにより日本でもLGのスマートフォンが展開されなくなりました。
よってサムスン以外のAndroidメーカーのスマートフォンを使用していた一部のユーザーが、選択肢が狭まった乗り換え先にGalaxyを選び、結果的にシェアが拡大しているのではないか、と筆者は推察しています。
今後の展開に期待
サムスンにとって、執筆現在の日本の状況は千載一遇のチャンスではあると言えます。
端末値引き規制が非常に厳しくなった今、Androidからの乗り換えだけでなく、iPhoneから乗り換えるユーザーが増加する可能性も十分にあると考えられます。そのため従来よりもコストをかけたマーケティング活動を行っても元が取れるかもしれません。
また新しい取り組みとしてSIMフリー(オープンマーケット)版の製品、Galaxy M23 5Gを日本で発売したことが記憶に新しいです。そのほかハイエンドタブレットGalaxy Tab S8 Ultraを発売したりと、サムスンは従来より日本の市場に注力している様子が伺えます。
今後もこのように積極的に新しい取り組みを行い、日本の市場に投資してほしいところです。
画像:Galaxy(日本)
参考
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