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Galaxy Sシリーズは、ここ数年スペックや外観上、劇的な変化をしていません。そのため実際に手に取らないと変化に気付かない部分が多く存在します。
そこで今回は2024年のハイエンドS24 Ultraと旧世代のS23 Ultraを実機で比較してみました。
スペックを比較
当サイトでは何度か紹介していますが、改めてそれぞれのスペックをおさらいします。
Galaxy S24 Ultra | Galaxy S23 Ultra | |
---|---|---|
WiFi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax/be 2.4G/5GHz/6GHz | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/ax 2.4G/5GHz/6GHz |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
ディスプレイ | 6.8インチ Dynamic AMOLED 2X | 6.8インチ Dynamic AMOLED 2X |
リフレッシュレート | 1-120Hz | 1-120Hz |
解像度 | WQHD+ (1440 x 3120) | WQHD+ (1440 x 3088) |
寸法 | 162.3 x 79.0 x 8.6 mm | 163.4x 78.1 x 8.9 mm |
重量 | 232g | 233g |
プロセッサ | Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy (3.39GHz, 3.1GHz, 2.9GHz, 2.2GHz) | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy (3.36GHz,2.80GHz,2.02GHz) |
メモリ | 12GB | 12GB |
バッテリー容量 | 5,000mAh | 5,000mAh |
リアカメラ | ①超広角 12MP ②広角 200MP ③望遠 10MP (光学3倍) ④望遠 50MP (光学5倍) | ①超広角 12MP ②広角 200MP ③望遠 10MP (光学3倍) ④望遠 10MP (光学10倍) |
インカメラ | 12MP | 12MP |
生体認証 | 指紋(画面内)/2D顔認証 | 指紋(画面内)/2D顔認証 |
目立った変更点はプロセッサの変更、一部カメラの変更などがあります。光学10倍の望遠カメラは光学5倍に落とされたものの、実際に差があるのかについては後述します。
外観に関しては本体フレームがアルミニウム合金からチタン合金に変更されたほか、ディスプレイの左右端(エッジ)のカーブが控えめになりました。
なおS24 Ultraはカメラがやや大型化していること、ディスプレイのアスペクト比が変更されていること、本体寸法が若干変更されていることから、画面保護フィルム・本体保護ケースともにS23 Ultra用と互換性がありません。
パフォーマンスの差
実機ベンチマークの結果は以下の通りです。
Geekbench 5
Geekbench 5の平均値はS24 Ultraがシングル1700点前後、マルチ6000点前後、S23 Ultraがシングル1550点前後、マルチ5100点前後という結果でした。
Geekbench 6
Geekbench 6の平均値は概ねS24 Ultraがシングル2300点前後、マルチ7200点前後、S23 Ultraがシングル2000点前後、マルチ5300点前後という結果でした。
AnTuTu V10
AnTuTuでは合計点で15〜20%の向上がみられました。ただし今回検証に用いたS24 Ultraは512GB、S23 Ultraは256GBストレージのため、MEMスコアに関しては容量増加によってスコアが向上している可能性もあります。
AnTuTuでは若干S24 Ultraのほうが発熱する結果になっていますが、ベンチマークのような負荷をかけない限り、目立った発熱はしない印象です。少なくとも普段使いの低〜中負荷時で発熱は全く気になりません。
パフォーマンス総評
実際にベンチマークを計測すると明確な差が出ます。しかし裏を返せば、ベンチマークや非常に重いゲームで長時間高い負荷をかけない限り、明確な差を感じないと言って良いでしょう。
普段使いではどちらも非常に快適で、向こう数年は差し支えなく利用できそうです。
カメラ(静止画)をチェック
昼間から夜間まで、静止画の比較を行いました。
なおサイトの都合上1200 x 900解像度に画像を圧縮しています。
※Ultra HDRの都合により、S24 Ultra側の写真だけ明るく表示される場合があります。
昼間
超広角(0.6倍)
広角(1倍)
超広角・広角では、S24 Ultraのほうが自然な色味に写りやすいようです。おそらくソフトウェア処理の傾向が変わったのだと思います。
3倍
昼間の3倍では大きな変化こそありませんが、やや暖色寄りに写るようになった気がします。
10倍
10倍は3倍と概ね同じような傾向です。S24 Ultraは光学5倍レンズで更にデジタルズームを行っているはずですが、遜色ない解像感を保っています。
30倍
30倍では総合的に互角か、S24 Ultraがやや優れている印象を受けました。
葉の描写やダイナミックレンジはS24 Ultraのほうが優れているのに対し、屋根瓦はS23 Ultraのほうがハッキリと描写されています。
100倍
100倍となるとさすがに物理的な倍率の差に勝てないようで、ややS24 Ultraが劣るように見えます。
5〜10倍
キリの良い倍率では大きな変化が見られませんでしたが、一方で5倍以上10倍未満のズームには大きな改善が見られます。
実際に9倍の写真を拡大してみると、特に外側でディテールの差が見られます。
光学ズームが5倍になって高倍率時の解像度を懸念していましたが、そこまでの悪化は見られませんでした。
むしろ低〜中倍率の解像度が改善され、全体的なバランスが良くなった印象です。
夜間
続いて夕~夜間に撮影した写真です。通常モードでの撮影か、ナイトモードでの撮影かは都度記載しています。
広角(1倍)
このような路地裏の光量ではほとんど差はみられませんが、S24 Ultraはソフトウェアの詰めが甘いようにも感じます。
また低照度では更に詰めの甘さが引き立ちました。
ほぼ暗闇において、初期ファームウェアのS24 Ultraでは、紫色が極端に出てしまうようです。Xでも同様の事象が確認できるため、これはおそらくソフトウェアの不具合でしょう。
近いうちに修正されるはずなので、今後のアップデートに期待です。
3倍
3倍では通常撮影・ナイト撮影問わず、S24 Ultraのほうがノイズが抑えられています。
10倍
S24 Ultraでは3倍と同じく白飛びが抑えられており、より引き締まった写りになるようです。
なお、10倍では夕方でも差が現れます。
S23 Ultraでは真っ暗ではない日没時間でもかなり薄暗くなってしまいますが、S24 Ultraでは夕暮れの鮮やかさを残しつつ、更にノイズも抑えられるようになっています。
カメラ総評
全体的に見れば改善したものの、ごく一部ではまだ不完全な部分が残っています。
とはいえ発売直後かつ初期ファームウェアなので、今後のアップデートで改善する余地は十分にあります。
更なるカメラ性能向上に期待したいところです。
バッテリー持ちをチェック
S24 UltraはS23 Ultraからバッテリー容量据え置きの5,000mAhですが、バッテリー持ちはどうでしょうか。
ブラウザ・SNS・動画コンテンツサービスを主に利用して、駆動時間の検証を行いました。
なおS23 Ultraのバッテリーは経年劣化の可能性があることから、現在のデータではなく購入当初の記録(当時One UI 5.1)で比較します。
S24 Ultraでは2/1の21:00頃に充電ケーブルから取り外し、1日目は2時間29分の使用、2日目の2/2は11時間39分の使用、最終日の2/3は2時間53分の使用でした。つまり、S24 Ultraは100%から20%の使用で画面ON時間が合計17時間1分という結果になりました。
似たような検証でS23 Ultraは14時間20分だったので、残20%時点では2割弱の駆動時間増加ということになります。
実際に使用していてもS24 Ultraのほうがバッテリー持ちが良い体感でした。
公称値でも15%程度の向上とされているので、概ね公称値通り改善しているものと思われます。
まとめ
今回の検証を3行にまとめると…
- 普段使いで処理性能が向上したという体感はほぼない
- カメラは5~10倍ズームで特に改善がみられる
- 駆動時間は体感でも明らかに伸びた
実際に比較してみたところ、(予算の上限がなければ)今まで以上に一般消費者へオススメできる、完成度の高いスマホへと進化していることが分かりました。
妥協してS23 Ultraにするか、思い切ってS24 Ultraにするか、検討している方の参考になれば幸いです。
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