moto g53y 5G 実機レビュー – 2023年のローエンドはコレを選べばOK

Android
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一部で話題になったモトローラのmoto g53y 5Gを購入しました。

非常に安価に出回っていることから、気になっている人も多いのではないかと思います。

今回は実際に数週間使用してみて感じた本機種のレビューをお届けします。

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スペック

moto g53j 5G/moto g53y 5Gmoto g52j 5G(参考)
WiFiIEEE 802.11 a/b/g/n/ac 2.4G/5GHzIEEE 802.11 a/b/g/n/ac 2.4G/5GHz
Bluetooth5.15.1
対応バンド2G GSM:
GSM850, GSM900, DCS1800, PCS1900
3G UMTS:
B1, B2, B4, B5, B8
4G LTE:
B1, B2, B3, B4, B8, B11, B12, B17, B18, B19, B26, B28,
B38, B41, B42
5G NR:
n3, n28,
n77, n78
2G GSM:
GSM850, GSM900, DCS1800, PCS1900
3G UMTS:
B1, B2, B5, B8, B19
4G LTE:
B1, B2, B3, B8, B18, B19, B28,
B38, B41, B42
5G NR:
n3, n28,
n77, n78
SIM構成nanoSIM+eSIMnanoSIM+eSIM
ディスプレイ6.5インチHD+ LCD6.8インチFHD+ LCD
リフレッシュレート120Hz120Hz
解像度1600 x 7202460 x 1080
寸法約162.7mm x 74.66mm x 8.19mm約171.0mm x 76.8mm x 9.1mm
重量約183g約206g
プロセッサSnapdragon 480+ 5G
(2.2GHz, 1.9GHz)
Snapdragon 695 5G
(2.2GHz, 1.8GHz)
メモリ/ストレージ4GB / 128GB
(g53jはメモリ8GB)
6GB / 128GB
(g52j Ⅱはメモリ8GB)
Androidバージョン1311
バッテリー容量5,000mAh5,000mAh
リアカメラ広角:50MP F1.8
マクロ:2MP F2.4
広角:50MP F1.8
超広角:8MP F2.2
マクロ:2MP F2.4
インカメラ8MP F2.013MP F2.2
生体認証指紋(側面・電源ボタン兼用) / 2D顔認証指紋(側面・電源ボタン兼用) / 2D顔認証
防水・防塵IP52IP68
備考3.5mmイヤホンジャック
micro SDカード(最大1TB)
おサイフケータイ対応
3.5mmイヤホンジャック
micro SDカード(最大1TB)
おサイフケータイ対応
出典:g53j, g52j (モトローラ公式サイトより)

モトローラgシリーズの2023年モデルとなります。

先代モデルは一応moto g52j 5Gとなりますが、ご覧の通りスペックは後継機となるmoto g53j 5G・g53y 5Gのほうが低く、かつ安価になっています。そのため製品の立ち位置が先代のg52jとは少々異っています。

このうち今回のレビュー端末であるメモリ4GBモデルのmoto g53y 5Gは、ワイモバイルにて定価21,996円で販売されており、大量の未使用品が中古市場に出回っています。そのため未使用品の相場は執筆時点で13,000円前後となっており、安価に入手することが可能です。

ちなみに筆者はじゃんぱらで未使用品を総額13,650円ほどで購入し、カラーはg53j 5Gにはないペールピンクをチョイスしました。

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ベンチマークをチェック

実機で各ベンチマークアプリにて計測を行いました。

AnTuTu V10

バッテリー消費も発熱も少ないものの、スコアはあまり高くありません。

AnTuTuの採点基準が搭載メモリ量で変動するため一概には言えませんが、AnTuTu V10で40万点を切るものはエントリー性能と言えるでしょう。

Geekbench

Geekbench 5

Geekbench 6

CPU性能は先代モデルに搭載されているSnapdragon 695と比較しても少々劣ります。

後継モデルで性能が退化している点には十分注意しましょう。

パフォーマンス総論

正直なところ、普段使いでも快適とは言い難いです。とはいえ必要最低限の性能は持ち合わせていると思います。

今までずっとミドルクラス以下の端末を利用してきた人は概ね問題ない性能だと思われますが、筆者は普段最新のハイエンド端末を使用しているため、全体的にもっさりした動作が気になりました。

また発熱もやや気になります。バッテリーの異常消費があるわけではないものの、リフレッシュレートを自動・120Hzに設定すると、やや発熱する印象を持ちました。

また高リフレッシュレートではコマ落ちも気になります。スペックが追い付いていないのか、カクつく場面が頻繁に見られます。

moto g53j 5Gと兄弟機種

moto g53y 5Gはワイモバイル向けの端末となっていますが、オープン市場(SIMフリー)向けに販売されているmoto g53j 5Gと兄弟機種です。

モトローラ公式サイトでもmoto g53j 5Gと同じページで紹介されており、スペック上はカラー展開とメモリ程度しか差異がありません。

通信周りは概ね問題なし

このため対応バンドもmoto g53j 5Gと同じになっており、こちらの端末同様、ソフトバンク系以外の回線でも問題なく使用することができます。

もちろんSIMロックもかかっていないので、解除などの手間もありません。

また筆者が調べた限りではSIMカードの相性なども問題なく、au・ドコモ・ソフトバンク・楽天モバイルの4回線で利用できそうです。ただしn79には対応していないため、ドコモの5Gで利用できるエリアは一部制限されます。

なお格安SIM(MVNO)のドコモ回線での利用において大きな影響はありません。

ワイモバイル要素は少々あり

ほとんどが削除できるうえ、バックグラウンドで異常動作することもないですが、通信事業者のアプリは少なからずプリインストールされています。とはいえこれを除けば、通信事業者の縛りや要素はほぼありません。

ソフトバンク系以外の他社回線で利用しても特に支障はありませんでした。

カメラをチェック

以下の画像はmoto g53y 5Gで撮影したカメラ作例です。特に断りがなければ5000万画素の広角カメラで撮影しています。

単純にHDR性能が低いだけかもしれませんが、全体的に暗く写りがちな印象を持ちました。

また望遠レンズが搭載されていないため、ズーム時の解像感はありません。

3倍ズームで撮影

moto g53y 5Gのカメラを使用して一番残念だと思った点は、とにかくカメラアプリが重いことです。

プロセッサの性能が低いくせにソフトウェア処理が多用されるようで、普段使い以上に動作がカクつきます。シャッターラグも頻繁に発生するため、シャッターチャンスを逃すことが多々ありました。

なお、もう一つのマクロカメラは、ミドル〜ローエンドによくある数合わせ用のカメラです。使う機会も少なければ性能も良くありません。

以下は明るい部屋でマクロカメラにて撮影した写真です。全体的に暗く、また解像感の低さが気になります。

カメラは実質的に単眼だと思った方が良さそうです。

マクロカメラで撮影

ハードウェアをチェック

本体スピーカー

本機種はDolby Atmos対応ステレオスピーカーとなっていますが、価格が価格なので性能はそこまで良くありません。また音が小さいので、コンテンツ鑑賞時に50%以上の音量にすることが多々ありました。

とはいえ同価格帯の製品と比べると平均以上ではないかと思います。

以下デフォルト設定でのスピーカー音声を録音したファイルです。なお音量は50%程度に設定しています。

※楽曲はこちらから引用しました。

Track: Spektrem – Shine [NCS Release]

Music provided by NoCopyrightSounds.

Watch:    • Spektrem – Shine …  

Free Download / Stream: https://ncs.io/Shine

筐体の質感

背面の質感はよくあるプラスチック筐体という印象です。

指紋がつきにくい処理が施されており、サラサラした質感に仕上げられているので、筆者はケースなしで使用しています。

moto g53y 5G限定カラーのペールピンクは比較的上品なカラーであり、老若男女問わずオススメできます。

※画像では濃く見えますが、実物はもう少し淡い色です。

ディスプレイ

moto g53y 5GはHD+液晶と低めのディスプレイ解像度です。リフレッシュレートは最大120Hzまで対応しますが、性能が追い付いていないのかカクつく場面は多いです。

また液晶ディスプレイでパンチホールを実現しているため、内側カメラの周りは輝度ムラが気になります。これは液晶ディスプレイの仕様なので、ある程度は許容するしかありません。

画像では分かりにくいですが、肉眼ではやや気になります。

ソフトウェアをチェック

アップデートが心配

モトローラの今までの実績を踏まえると、メジャーアップデートの回数はedgeシリーズ以上が2回、gシリーズが1回になると考えられます。

ところが、通信事業者で販売されるAndroid端末は、Google Pixelを除き通信事業者を経由します。さらにソフトバンク系で販売される端末は、特にアップデートが遅く、また頻度も低くなることが多いです。

従来機種の法則に従うと、moto g53y 5Gもメジャーアップデートが1回行われることになりますが、この端末はアップデートに悪い意味で定評のあるソフトバンクが絡んでいます。そのため、今後のアップデートは期待しすぎない方が良いでしょう。

急速充電は手元の充電器でOK

本機種に充電器・ケーブルは付属しておらず、公式サイトではモトローラが販売する30W充電器が推奨されています。

しかし、モトローラの端末はQCやUSB PDの規格に対応していることが多く、無理に純正の充電器を購入する必要はありません。もっと噛み砕いて分かりやすく言うと、世に出回っている多くの急速充電器でまあまあ速い急速充電が大体使えるということです。

moto g53y 5Gでも、筆者の手元にある最大18WのUSB PD充電器で、急速充電を行うことが可能でした。

充電スピードから推測すると、15W~18Wの間で充電されていると思います。

バッテリー持ちをチェック

ブラウザ・YouTube観賞・XのTL閲覧を主に行い、バッテリー持ちを検証しました。なおリフレッシュレートは「自動」に設定、輝度は25%(自動調整オフ)で検証しています。

結果、満充電(100%)から約20%まで使用して、画面点灯時間は11時間27分でした。

この結果は以前motorola edge 40で検証した結果よりも2時間ほど駆動時間が長いです。

もちろん完全な同一条件ではありませんが、実際に使用していても明らかにバッテリー持ちが良い印象を受けました。

まとめ

moto g53y 5Gのココが良い!

  • 圧倒的な低コスト
  • 十分なバッテリー持ち
  • 急速充電が使いやすい

moto g53y 5Gのココが惜しい!

  • 発熱が気になる
  • 全体的に性能は低い
  • アップデート面

何と言ってもmoto g53y 5Gの魅力は価格だと思います。ただでさえ元の定価が安いのに、中古市場では更に安くなっていることから、残念な点があっても大半は「安いからいいや」で許せます。

今回購入にかかった送料を含む費用は13,650円ですが、これは新大阪~東京を新幹線の自由席で移動した際の費用(執筆時点13,870円)よりも安いです。急速なインフレが進む昨今では非常に強い味方と言えるでしょう。

スマホにお金をかけたくない人、あまり使わないので最低限で良い人、とりあえずサブ端末を持っておきたい人など、様々なライトユーザーにオススメできると思いました。

またこの価格帯では15W以上の急速充電に対応していないこともありますが、moto g53y 5Gは30Wまで対応しています。最大18WのUSB PD充電器でも2時間あれば大体は充電可能なので、ローエンドで不満が出がちな充電速度もそこまで気になりません。

とはいえ、やはり価格が価格なので、割り切って使うことが前提になります。良くも悪くもコストカットの努力が感じられる製品であるため、ハイエンド性能に慣れたユーザーには到底オススメできません。

またアップデートも懸念点です。メジャーアップデートは1回あれば良い方というレベルなので、ミドルクラスでも長期的なアップデートを求めるユーザーには、iPhone、Galaxy、Google Pixelのいずれかを強くオススメします。


色々と文句を垂れましたが、価格的に今年のエントリースマホはこれが一番オススメできると思います。

筆者は親族へのプレゼントにする予定です。

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