ドコモの「いつでもカエドキプログラム」に潜む罠、購入して1年で気付いたデメリットとは

Android

執筆時点でちょうど1年前、筆者はGalaxy Z Fold3をドコモで購入しました。

一括で購入しても良かったのですが、せっかくなので1~2年の利用を想定して「いつでもカエドキプログラム」を前提とした分割で購入することにしました。

しかし購入してから1年経った今、この決断にとても後悔しています。

頻繁にスマホを買い替える方が悪いことは重々承知していますが、今回は頻繁にスマホを買い替える筆者にとって「いつでもカエドキプログラム」が微妙だと思ったポイントを書き記していこうと思います。

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「いつでもカエドキプログラム」とは?

まずは「いつでもカエドキプログラム」についておさらいします。ただし複雑なうえ長文なので、めんどくさかったら読み飛ばしても良いです。


「いつでもカエドキプログラム」は、端的に言うと「残価設定型の24回分割払い」です。24回の支払いまでにドコモへ端末を返却すると、残価が免除される仕組みになっています。

出典:NTTドコモ

例えばGalaxy Z Fold3で23回目に返却すると、多くの場合6,198円/月※になり24回目の残価95,040円が免除され、実質142,560円になります。

それまでに返却しなければ再度残価を分割し、合計47回分割の全額(237,600円)支払いとなります。

また23回目以前よりも早い段階で返却する場合「早期利用特典」が適用されます。残額の分割支払いから月単位で一定の割引が入り、返却が早ければ早いほど合計負担額が減少する仕組みになっています。

出典:NTTドコモ

例えばZ Fold3を1年(12か月)利用して返却した場合、12回支払った時点での返却と仮定すれば108,240円(早期利用特典1,200円×11回+24回目の残価95,040円)の支払いが免除され、実質129,360円になります。


※読者の方から頂いた情報によると、分割支払金は必ずしも上記の金額というわけではないらしく、契約者の与信枠によって変動する場合があるとのことです。例えば同じZ Fold3でも与信枠200,000円のユーザーは頭金として1回目に約45,000円ほど請求され、その代わり分割代金が約4,500円/月くらいになるようです(残価は変動なし)。ちなみに6,198円/月でも端数が生じるので1回目は6,204円の請求となります。

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縛られる

本題に戻りますが、まず最も辛いのは「金銭的に縛られる」ということです。

もちろん回線側の違約金は撤廃されたため、現行の新プランにしておけば他社に乗り換えても違約金はほぼ発生しません。しかし端末の支払いに関しては清算・返却しない限り4年くらいつきまといます

筆者はこのような記事執筆などといった趣味の都合上でスマートフォンを頻繁に買い替えるため、分割の支払いとは非常に相性が悪いです。

正直これはZ Fold3を購入する前から分かり切っていたことなのですが、実際に試してみると思っていた以上に足を引っ張ってしまいました。

+2万円の支払いは想定したほうが良い

1~2年ほど同じスマホを使うのであれば、一度も落とさず無傷で利用できる人のほうが少ないと思います。

いつでもカエドキプログラムではドコモが定めた「受付不可品」でない限り返却は可能なのですが、「機能不良品」と判断された場合は別途故障時利用料が請求されます

この「機能不良品」の基準は定かでないものの、目視できる凹みや割れがあった場合は請求されると思った方が良いかもしれません。執筆時点では請求されたというインターネットでの報告が少ないため過度に心配する必要はないかもしれませんが、頭の片隅に置いておくべきでしょう。

筆者のZ Fold3にはしっかり凹んだ落下痕があるため、返却した後に追加で22,000円請求される可能性があります。まだ返却するかどうか悩んでいるので憶測にはなりますが…。

補償未加入の場合は22,000円、ケータイ補償などに加入している場合は2,200円となっているため、オプション料金を含めるといずれも実質負担額より2万円前後多めに支払うことになります。

ちなみに折りたたみGalaxyの場合、メーカーが推奨していないためメイン(内側)ディスプレイのフィルムは剥がすべきではありません。剥がしたりサードパーティ製のフィルムを貼ったりすると破損させてしまう可能性があり、筆者としても推奨はしません。またドコモ次第ではありますが、経年劣化で折り目部分が浮いてしまった場合も「機能不良品」扱いとなる可能性がなきにしもあらず、通常のスマートフォンよりも故障時利用料が請求されるリスクは高いと言えます。

1年での返却はあまり得をしないかも

続いて「分割で購入して『いつでもカエドキプログラム』を1年後に利用した場合」と「一括で購入して1年後中古スマホショップに買い取ってもらった場合」の金額を比較してみます。

Z Fold3で故障時利用料を請求された場合、前者の合計支払い金額は前述の通り151,360円となる見込みですが、後者はどうでしょうか。

例えばじゃんぱらでのドコモ版Z Fold3の買取金額は執筆時点で上限95,000円です。筆者の場合は落下傷があるため10〜20%の減額が入るでしょう。

出典:じゃんぱら

よって一括で買った場合の合計負担額は買取10%減額で152,100円20%減額で161,600円ということになります。

つまり本プログラムを利用したほうが740円~10,240円お得です。理論上はお得ですが、正直思ったよりも微妙な結果になりました。個人的には縛られるので割に合わないと思います。

筆者の状態で故障時利用料が請求されなかった場合は最大32,240円お得ですが、そうなれば結構お得です。

ちなみに状態が完璧であると仮定すると、無補償かつ本プログラム利用のほうが13,240円お得という結果になります。

もちろん端末によって中古相場が大きく変動するため一概には言えないものの、中古価格の下落が激しい折りたたみスマホでもこの程度である、ということは念頭に置いたほうが良いかもしれません。

郵送返却では一括清算ができない

ドコモの公式サイトによると、いつでもカエドキプログラムによる端末の返却は、ドコモショップ店頭郵送(ウェブ)のいずれかを利用する形になります。

しかし早期返却した場合、残額の一括清算は前者のドコモショップでしか受け付けができないようです。しかも家電量販店はそもそも受け付けてくれない可能性があるとのこと。

そのため購入して1年後に郵送で返却した場合、多少の減額はあるにせよ必ず残り1年弱は手元にない端末の代金を支払い続けるということになってしまいます。

早期返却は店頭での利用をオススメします。

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まとめ

以上のことをふまえて「いつでもカエドキプログラム」をまとめると以下3点と言えるでしょう。

  • 早期返却よりも2年使った方がお得かも
  • 2年以上使うならメリットもデメリットもない
  • 数か月でスマホを買い替える人は使うべきでない

24回払いにも関わらず月額の負担額が48回払い相当になる点は良いですが、その反面システムが複雑化しており損得勘定が難しくなっていることには注意が必要です。まあこれは別に本プログラムに限った話ではないですけど。

また近年一般ユーザーは2年以内に買い替えるケースのほうが稀と言っても過言ではなく、同じ端末を3年以上使用することが非常に多くなっています。本プログラムは2年以上使用するとただの47回払い(残価なし)になってしまうため、そうなると本プログラムの分割である必要がありません。

むしろ意味もなく複雑化した分割システムを利用する意味は一切ないので、通常の36回払いまたは48回払いにしたほうが無難であると言えます。

…とはいえ全くメリットがないというわけではなく、必ず2年程度で返却が出来る人であればオススメできるシステムになっています。

購入して1年の時点でも本プログラムを利用したほうがお得なケースが僅かながら出ており、一般的なAndroidスマートフォンの値崩れペースから考えると、2年後は更にお得になる可能性が高いと言えます。

そのため1年半~2年目の間に返却するのが一番お得かもしれません。


近年スマートフォンは高額化の一途を辿っており、極力負担の少ない分割を組みたいと思う人が増えてきていると思います。

「いつでもカエドキプログラム」に限らず、通信事業者が提供する残価設定型の分割プログラムを検討している方は、このようなデメリットを踏まえた上で、慎重に検討を重ねた方が良いでしょう。

ご利用は計画的に。


参考

いつでもカエドキプログラム (docomo.ne.jp)

docomo 【SIMフリー】 Galaxy Z Fold3 5G ファントムブラック 12GB 256GB SC-55Bの買取価格|じゃんぱら (janpara.co.jp)

コメント

  1. Semiry より:

    こんにちは。九州福岡からです。

    docomoではありませんが、auでの同等サービスを利用しています。(最近ですが。)
    →au「スマホトクするプログラム」になります。

    之までスマホはキャリア販売以外の製品をずっと利用してきました。
    →2011年初スマホ(Galaxy Note2)からこの2022年9月迄

    スマートウォッチ「HUAWEI WATCH 2 4G」がいよいよ使い物にならなくなり(2017年から利用)、買い換えでナンバーシェアサービス利用「Galaxy Watch5」にしたのですが、運悪くキャリアから購入ではない「Galaxy Z Fold4」のau SIMが使えないというトラブルに見舞われてしまいました。
    →考慮の末、スマホもauのものにしよう、決めました。

    その際、これまで毎年端末買い換え時「ヤフオク!」にて旧端末を出品、落札者に譲渡してきましたが、その手間を省ける「スマホトクするプログラム」とした次第です♪

    生活上、サブ端末が必要なので、1年後に新端末を別途契約し、今回契約分をサブ端末に、2年後に最初に契約した端末を返却、1年後に契約した端末をサブ端末に、新たに新端末契約、の繰り返しで利用していけばいいとの目算です(^_^)v

    キャリア端末使用で、メリットもあるな、と思えた事が。
    →「Google Pay」が利用できるぞ、これはgood!だと!(^^)!

    それでは失礼します☆

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