知らないうちに電波法違反?壊れたスマホは登録修理業者かメーカーで直したほうが良い理由

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皆さんはスマホやタブレットが壊れたりバッテリーを交換したくなった場合、どうしますか?

正規サービスプロバイダを含むメーカーや非正規の修理業者に依頼したり、新しい機種を買ったりと様々な選択肢があるでしょう。

しかし修理を行う方法によっては法律に抵触する場合があります


なぜ修理するだけで法律に抵触する場合があるのか、修理を行ったり中古品を購入するリスクについて解説します。

メーカー以外が修理すると原則技適が無効になる

スマートフォンやタブレットに限らず無線通信を行う機器には、日本で利用するにあたって問題がないことを証明する「技術基準適合証明」、いわゆる「技適マーク」などが必要です。

Galaxy Z Fold3 5G SC-55Bの技適マーク

しかしこの技適マークは、メーカー以外の者が分解・修理を行うと無効になる場合があります

メーカーとは直接関与しない非正規の修理業者では、純正ではない部品を利用することがあり、また修理業者のサービス品質もどの程度なのか不透明です。

そのため修理を行うと、その機器が技術基準に適合しているかどうか曖昧になるため、技適マークは原則無効になります。もちろん、いち個人が自力で修理を行う際も同様です。

技適マークが付いている無線機を改造すると、技術基準適合証明の効力が無くなり、技適マークが付いていない無線機と同じ扱いになります。

このような無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがあります。

総務省 – 技適マーク、無線機の購入・使用に関すること

ここでの「改造」は、「修理」や「分解」に当てはめて解釈することが可能です。

メーカーの保証が受けられなくなる

また法的に問題があるかどうかを差し置いても、非正規修理業者で修理を行った場合は、一般的にメーカーの保証を受けることが出来なくなります

例えばAppleでは、修理規約に以下の文言が記載されています。

不正改造や、Apple または AASP 以外の手による修理または交換が原因で、修理中に何らかの損傷が製品に発生した場合、Apple は一切責任を負いません。

Apple – 修理規約 1.11.6 不正改造の開示

つまり非正規の修理業者でバッテリー交換をしたことがあるiPhoneだと、その後にApple StoreやApple正規サービスプロバイダ(AASP)で修理を依頼しても拒否される可能性があるということです。

メーカー外の修理は登録修理業者がオススメ

とはいえ国もメーカー以外の選択肢を広げるため「登録修理業者制度」というものを設けています。

これは、一定の条件を満たせば、個人や法人が特定のスマートフォンやタブレットにおいて、技術基準に適合した修理ができることを総務省が認定する制度です。

この登録修理業者に修理してもらえば、法的に問題が発生することもありません。

また法的に問題がないだけでなく、国公認の修理業者のため、一定のサービス品質以上であるということを証明するものにもなり得ます。

居住地域などの事情により、どうしてもメーカー以外で修理を依頼しなければならない場合は、登録修理業者に依頼することを強くオススメします。

ただし登録修理業者であっても何でも修理できるというわけではないので、どの製品でどの部分を修理できるかについては、事前に登録修理業者に問い合わせましょう。

なお修理を依頼しようと検討している修理業者が総務省の認定を受けているかどうかについては、総務省が公開している情報でも確認することができます。

フリマサイトの中古品も修理歴に注意

同様の理由で、フリマサイトの中古スマートフォン・タブレットを購入する際も注意が必要です。

出品されている中古スマートフォン・タブレットには、登録修理業者ではない非正規修理業者で修理歴のあるものや、資格のない個人が非純正部品で修理したものも出品されています

前述の通りこれらは電波法に抵触する可能性があります。そして修理歴があるかどうかを判別することは専門家でも難しく、実際に手にとっても分からない場合もあります。

つまりフリマでの中古品は可能な限り避けたほうが良いということです。詳しいことが分からない初心者であれば、なおさら避けるべきでしょう。

それでも良いという方はこういったリスクを十分理解した上で、自己責任において利用してください。


参考

総務省 – 登録修理業者制度

総務省 – 登録修理業者の登録情報の公表

総務省 – 技適マーク、無線機の購入・使用に関すること

Apple – 修理規約

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