Galaxy S22シリーズは2月末より順次発売がされています。香港は先行販売地域に選ばれなかったので、3月4日の発売となりました。
筆者も香港版Galaxy S22 Ultraを入手したので、早速モバイルデータ通信の検証を行いました。
※なお本機種は技適未確認のため、日本国内在住の方に利用を推奨するものではありません。ご了承下さい。
対応バンドは以下の記事でまとめています。
運用バンドの確認
まず執筆時点で各通信事業者が運用している4G以降のバンドをおさらいします。
赤太字は本機種がスペック上対応しているものです。
4G/LTE | 700MHz帯 | 800MHz帯 | 900MHz帯 | 1.5GHz帯 | 1.7GHz帯 | 2GHz帯 | 2.5GHz帯 | 3.4GHz- 3.5GHz帯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
docomo | B28 | B19/B26 | – | B21 | B3 | B1 | – | B42 |
au | B28 | B18/B26 | – | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Softbank | B28 | – | B8 | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Rakuten | – | B18/B26 | – | – | B3 | – | – | – |
5G/NR | 700MHz帯 | 1.7GHz帯 | 2GHz帯 | 2.3GHz帯 | 2.5GHz帯 | 3.4GHz- 3.5GHz帯 | 3.7GHz帯 | 4.5GHz帯 | 28GHz帯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
docomo | (n28) | – | (n1) | – | – | (n78) | n78 | n79 | n257 |
au | n28 | (n3) | – | (n40) | n41 | n78 | n78,n77 | – | n257 |
Softbank | n28 | n3 | – | – | – | n77 | n77 | – | n257 |
Rakuten | – | (n3) | – | – | – | – | n77 | – | n257 |
※括弧は今後運用することが確定的な周波数
検証結果
以下実機の検証結果です。
なお本機種は基本的に大手通信事業者のAPNのみしか保存されていません。MVNOなどは手動でAPNを作成・編集する必要があります。
docomo
- 4G通信:B1,B3,B19,B26,B28で利用可能
- VoLTE通話:利用可能
- 5G通信:n78,n79で利用可能
4G通信は対応しているバンドが全て利用可能でした。B19,B26に対応しているため、エリアに制限なく利用可能です。
VoLTEは難しい設定など一切不要で、自動的に有効になります。通話は4Gで問題なく利用可能です。
5Gも日本全国で利用できます。2022年3月時点ではミリ波を除いて利用できるエリアに制限がありません。しかし2022年春以降に700MHz帯の運用が開始されるため、今後拡大する5Gエリアの一部では利用できない可能性があります。
なお本機種はSub6-CAにも対応しており、こちらも全国で利用可能です。

条件が良ければ、Sub6-CAで下り1.8Gbps以上の速度が期待できます。
なお3GはB1でのみ利用可能ですが、今後エリアが縮小するうえ、5G契約では利用できないため、使えないものと思ったほうが良いでしょう。
au
- 4G通信:B1,B3,B18,B26,B28,B41で利用可能
- VoLTE通話:利用可能
- 5G通信:n78で利用可能
4G通信は対応しているバンドが全て利用可能でした。B18,B26に対応しているため、エリアに制限なく利用可能です。
VoLTEもアンテナピクトには表示されませんが、自動的に有効になっています。4Gで通話が可能です。
5Gはn28に対応していないため、利用できるエリアが制限されます。3.5GHz帯(転用)、3.7GHz帯はn78で運用されているため利用可能です。
なお本機種は2022年秋以降、本格的に運用が開始されるn41にも対応しています。今後エリアが広がり次第詳しく検証する予定です。
Softbank
- 3G通信:B1,B8で利用可能
- 4G通信:B1,B3,B8,B28,B41で利用可能
- VoLTE通話:利用不可→利用可能
- 5G通信:利用不可
3G通信・4G通信共に対応しているバンドで全て利用可能でした。いずれもB8に対応しているため、エリアに制限なく利用が可能です。
従来までGalaxyは共通の挙動によりソフトバンクのみVoLTE通話が一切利用できず、3Gにフォールバックして通話する仕様でした。しかし、2022年4月のアップデート(バージョン:S9080ZHU1AVCK / S9080OZS1AVCK / S9080ZCU1AVCJ)より、本機種においてソフトバンクのVoLTEに対応しました。以降4Gで通話が可能です。
なお5Gはソフトバンクの5G運用バンド(n3,n28,n77,n257)のいずれとも合致しないため、現状は一切利用できません。
※5Gピクトは立ちますが、実際に5G通信はできません。
Rakuten
- 4G通信:B3,B18,B26で利用可能
- VoLTE通話:利用可能
- 5G通信:利用不可
- Rakuten Link:利用可能
4G通信は自社回線・パートナー回線共に運用バンドと合致しているため、エリアに制限なく利用可能です。
VoLTE通話、およびRakuten Linkも全て利用可能であり、通話周りも問題ありません。
一方5Gは楽天モバイルの運用バンド(n77,n257)のいずれとも合致しないため、現状は一切利用できません。
※5Gピクトは立ちますが、実際に5G通信はできません。
まとめ
検証の結果を表にまとめます。
docomo | au | Softbank | Rakuten | |
---|---|---|---|---|
3G | △ | – | ○ | – |
4G | ○ | ○ | ○ | ○ |
5G | ○ | △ | × | × |
VoLTE | ○ | ○ | ○ | ○ |
Rakuten Link | – | – | – | ○ |
基本的に香港版Galaxy S21 Ultraと同等の挙動でした。日本で使用することを視野に入れるのであれば、現状5Gエリアに制限がないドコモが最も利用しやすいでしょう。
4Gに関しては、どのSIMを挿しても問題なく利用できそうです。
なお香港では近日中に700MHz帯の5Gが商用化されます。そのため本機種もn28が有効化される可能性が高いです。
アップデートにより新たなバンドが有効化され次第、情報を更新する予定です。
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