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先日香港版と台湾版は型番が同じだが対応バンドが異なるという事が判明しました。
台湾版ではn3/n28の転用5Gに対応しているため、日本の転用5Gも利用できるのではないか?と思い、香港版ではなく敢えて台湾版を入手し、モバイルデータ通信や通話などの利用可否を調査しました。
台湾版らしきものを発見!人柱で購入
普段よく流通するGalaxyはほとんどが香港版なので台湾版は非常に入手しづらいですが、ETORENにて台湾版らしきモデルが販売されていましたので、人柱で購入してみました。
対応バンドは若干異なる(間違えている)ものの、香港版SM-A5260には6/128GBモデルは存在しないため、台湾版だと信じて注文してみました。
注文してから土日含めてちょうど一週間で無事届きました。配送業者はFedexから日本郵便(委託先)でしたが、注文する時期や配送先によって異なる可能性があります。
付属品や外箱などを確認した結果、やはり台湾版であることが判明しました。
対応バンドをおさらい
本機種の対応バンドと日本の各キャリア採用バンドをおさらいします。
型番 | SM-A5260(台湾版) |
モデル | 6GB / 128GB 8GB / 256GB |
外部ストレージ | microSD(最大1TB) |
外寸 | 159.9 x 75.1 x 8.4 mm 189g |
SIM | nano+nanoSIM(5G+4G) |
2G | GSM 850/900/1800/1900 |
3G | WCDMA B1/B2/B5/B8 |
4G FDD | B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B20/B28 |
4G TDD | B38/B40/B41 |
5G FDD | n1/n3/n7/n28 |
5G TDD | n41/n78/n79 |
以下は各キャリアのバンド表です。
3G | 800MHz帯 | 900MHz帯 | 2.1GHz帯 |
docomo | B6/B19 | – | B1 |
au | (BC0) | – | (BC6) |
Softbank | – | B8 | B1 |
Rakuten | – | – | – |
ドコモは5G契約だと3Gが利用できないため、考慮しなくても問題ありません。auの現在契約可能なSIMは3G利用不可のため、こちらも考慮しなくても良いです。
4G | 700MHz 帯 | 800MHz 帯 | 900MHz 帯 | 1.5GHz 帯 | 1.8GHz 帯 | 2.1GHz 帯 | 2.5GHz 帯 | 3.5GHz 帯 |
docomo | B28 | B19/B26 | – | B21 | B3 | B1 | – | B42 |
au | B28 | B18/B26 | – | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Softbank | B28 | – | B8 | B11 | B3 | B1 | B41 | B42 |
Rakuten | – | (B18/B26) | – | – | B3 | – | – | – |
5G | 700MHz 帯 | 1.8GHz 帯 | 3.5GHz 帯 | 3.7GHz 帯 | 4.7GHz 帯 | 28GHz 帯 |
docomo | – | – | n78 | – | n79 | n257 |
au | n28 | (n3) | n78 | n77 | – | n257 |
Softbank | n28 | n3 | n77 | n77 | – | n257 |
Rakuten | – | (n3) | – | n77 | – | n257 |
緑太字は香港版が対応していない(台湾版のみ対応している)バンドです。
検証結果
実機を確認した結果、n3/n7は現状非対応でした。2021年4月現在の対応NRバンドはn1/n28/n41/n78/n79となるようです。
以下各キャリアの検証結果です。
- docomo
3G:B1のみ利用可
4G:B1/B3/B28で利用可
VoLTE:利用可能
5G:n78/n79で利用可(制限あり)
3G・4G共に800MHz帯の主要プラチナバンドには対応していないので、一部の屋内や郊外で圏外になりやすい可能性があります。
VoLTE通話は複雑な設定を行わずに利用可能です。5Gは利用できますが、n79を含む一部のE-UTRAN NR デュアルコネクティビティ(ENDC)に対応していないようです。つまりn79のみの5Gエリアの場合、通常ではn79を掴めないので4Gに落ちます。なお、n78は特に問題なく5G通信が利用できました。
- au
4G:B1/B3/B28/B41で利用可
VoLTE:利用可能
5G:n28/n78で利用可
主要プラチナバンドである800MHz帯(B18/B26)に対応していないので、一部の屋内や郊外で圏外になりやすい可能性があります。
docomo同様にVoLTE通話は複雑な設定を行わずに利用可能です。3.5GHz帯(n78)や700MHz帯(n28)の接続も確認しているので、本機種で5Gを楽しみたい方はauがオススメです。なお3Gは検証していません。
- Softbank
3G:B1/B8で利用可
4G:B1/B3/B8/B28/B41で利用可
VoLTE:利用不可
5G:接続不可能
唯一主要プラチナバンドに対応しているため、Softbankのエリア全域で利用可能です。ただし、VoLTEは許可されておらず、通話する場合3Gに落ちます。5Gも現状利用不可ですが、アップデートが来るたびに追加で検証していく予定です。
- Rakuten
4G:自社回線B3で利用可
VoLTE:利用可能
5G:利用不可(非対応のため)
Rakuten Link:利用可能
楽天は自社回線で利用可能ですが、パートナーエリアのバンドに非対応のため圏外が多発します。アプリ関連も問題なく利用できますが、楽天のみでの運用は現状厳しいでしょう。なお5Gは非対応のため利用できません。
まとめ
検証の結果を表にまとめます。
docomo | au | Softbank | Rakuten | |
3G | △ | – | 〇 | – |
4G | △ | △ | 〇 | △ |
VoLTE | 〇 | 〇 | × | 〇 |
5G | △ | 〇 | × | – |
Rakuten Link | – | – | – | 〇 |
B18/B19/B26のいずれにも対応していませんが、香港版とは異なりB28を絡めたキャリアアグリゲーション(CA)が利用できるので、4Gの通信速度に関しては香港版よりも若干快適です。個人的にはauメインで使い、電波が弱くなれば予備のSoftbankに切り替えるというデュアルSIM運用が一番使いやすいと感じました。この運用であれば5Gが使えるうえ、街中で圏外になることもありません。
取り急ぎモバイルデータの利用可否について検証しました。
5GとCAは香港版A52 5Gの参考になりませんが、4GやVoLTEの挙動に関しては基本的に同様となることが予想されますので、ある程度参考にしていただいて構いません。
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