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筆者は元々Pixel 5を使用していましたが、今回発売されたPixel 7がよさそうだったので買い替えてみました。
使用を始めてから1週間以上経過したので、以前使っていたPixel 5や今も使っているGalaxyとも比較しつつ、メインで使用した感想を「良い点」と「悪い点」に分けて書いていきたいと思います。
スペック
以下Pixel 5と7のスペックを一部抜粋します。なお一部情報には実機で確認したものも含みます。
Pixel 5 | Pixel 7 | |
---|---|---|
ディスプレイ | 6.0インチ FHD+ AMOLED 1080 x 2340 90Hzリフレッシュレート | 6.3インチ FHD+ AMOLED 1080 x 2400 90Hzリフレッシュレート |
背面カメラ | 12.2MP 広角 16MP 超広角 | 50MP 広角 12MP 超広角 |
前面カメラ | 8MP | 10.8MP |
メモリ | 8GB | 8GB |
ストレージ | 128GB | 128GB 256GB |
プロセッサ | Snapdragon 765G 1x 2.4GHz 1x 2.2GHz 6x 1.8GHz | Google Tensor G2 2x 2.85GHz 2x 2.35GHz 4x 1.8GHz |
生体認証 | 指紋(背面) | 指紋(画面内) 顔 |
バッテリー容量 | 4080mAh | 4355mAh |
重量 | 151g | 197g |
発売時直販価格 | 74,800円 | 82,500円 |
一般ユーザーではPixel 5から乗り換える人が多いのと、他にPixel 6と比較してる人はたくさんいるので、敢えてPixel 5と比較します。
当然ながらほぼ全てにおいて改善がみられますが、重量が50g近く増加している点が懸念ポイントになるかと思います。ただ昨今は200gを切るだけでも軽量の部類に入るので、この辺は諦めるしかなさそうです。
ベンチマーク結果
Googleが「独自チップ」と称しているGoogle Tensorシリーズですが、サービス業メインの彼らがこれらの設計および開発の全てを行っているとは考えにくいです。実際には多くの場面で、Google独自チップ開発のバックについていると噂されるサムスンの力を借りていると考えられます。そのためExynosのバリエーションモデルと言ったほうが近いかもしれません。
以下Google Tensor G2を搭載したPixel 7の実機ベンチマーク結果です。
AnTuTu
AnTuTuは間髪入れずに2回連続で計測しました。1回目は外部の冷却ありで計測(画像左)、2回目は冷却なしでの計測(画像右)です。

2022年のハイエンドとしてはやや低めのスコアで、どちらかと言うと1年落ちのハイエンドSnapdragon 888に近い値です。ただしSnapdragon 888とは異なりいずれの計測も80万点強を維持しており、かなりスコアが安定している点が特徴的です。
非常に重い3Dゲームでは最新ハイエンドよりも劣る可能性があるものの、型落ちハイエンド並の性能は発揮できそうです。
Geekbench
GeekbenchはCPUの計測を行いました。何度か試してみましたが、概ねシングル1000点ちょっと、マルチ3000~3100点あたりで落ち着きました。

こちらも2022年のハイエンドとしてはやや低い数値ですが、普段使いで使用するにあたってはほとんど支障ありません。Snapdragon 8 Gen 1および8+ Gen 1搭載機種と比べても遜色なく快適です。
良いと思った点
必要十分な高性能スペック
本機種(というよりGoogle Tensor G2)は「比較的発熱しにくい」という点が大きな特徴と言えます。
現行ハイエンドのS22 Ultraおよび Z Flip4と比べても熱を持ちにくい印象を受けます。発熱に関してはハイエンドというよりミドルクラスを使っている感覚に近いです。
しかも普段使いにおいてはハイエンド並の快適さなので、原神のような非常に重い3Dゲームをしない限りは十分すぎる性能だと思います。
ディスプレイ
ディスプレイは十分綺麗ですが、先代のPixel 6と比べるとあまり変わっていないかもしれません。
輝度を下げても色ムラが確認できないほど高い品質なので、おそらくサムスン製のものと思われます。
また輝度も直射日光下である程度見えるレベルになりました。Pixel 5は最高輝度が低く、屋外では文字を読むことすら苦労したことが多々あったため、明らかに改善されています。
またフラットディスプレイのため、ガラスフィルムも選択肢に入れることが出来る点の良いと思います。
筆者は適当に購入したガラスフィルムを装着していますが、指紋認証もフィルムなしと同等の速度・認証精度で利用できています。ただしものによっては指紋認証が利用できなくなる可能性があるので、念のため指紋認証の利用可否が明記されているフィルムを購入したほうが良いと思います。
ミドルクラス並のバッテリー持ち

具体的に比較したわけではないですが、Pixel 5と比べても良くなったように感じます。バッテリー持ちもミドルクラスを使っている感覚に近く、筆者の使い方では休日でも丸1日持ちます。
Galaxyとはバッテリーの計測が異なるため比較は難しいですが、One UIの測定基準で考えると、満充電~20%の使用で画面オン時間が9時間程度になると思います。ちなみに3700mAhのZ Flip4やS22は7時間~7時間半程度でした。
カメラ
概ねGalaxyよりも撮影に失敗する確率が低く感じました。シャッターを1回押すだけでほぼ確実に綺麗な写真が撮れるため、シャッターチャンスを逃す機会が減ったような気がします。
ただしシャッター音を消すことができないため、Galaxyよりも気軽に撮影しにくいです。
ご丁寧にステレオで鳴らしやがるので、指でスピーカーを抑えるという方法も使えません。ただスピーカーが安っぽい(後述)ので、そこまで爆音ではないのが救いです。
以下いろいろ試してみた作例です。



超広角カメラの画角は概ね標準的です。かなり画角が広いGalaxyと比較すると狭く感じますが、画質も申し分なく必要十分だと思います。


以下、日没一時間後の作例です。この程度の暗さだとPixel 7は通常モードと夜景モードの差がほとんどなく、わざわざ切り替えなくても綺麗な写真が撮れるようでした。
またGalaxyよりも街灯(光源)のゴーストがやや気になりますが、比較してようやく気付くレベルなので、実際に使っていて気になることは少ないかもしれません。



(参考・ナイト)

(夜景モード)
なお動画性能もそれなりに高く、何ならGalaxyよりも60fpsに張り付いている印象を受けました。一方で60fpsにすると10ビットHDRや音声拡張機能が利用できなくなるようで、この点が惜しいと感じました。

全体的にSnapdragon搭載Galaxyよりも色温度が高く、暖色寄りの写りになる傾向があるようです。
この癖はExynos搭載Galaxyと非常によく似ており、画像処理分野でもExynosの片鱗を垣間見ることができます。
かなりコスパが良い
ほぼハイエンド性能でカメラを含め全ての性能が申し分なく、それでいてGoogle直販価格の定価が8万円ちょっとであり、定価でも非常にコストパフォーマンスに優れていると言えます。
不況の煽りを受けている2022年は特に5万円~10万円の機種が少なく、本機種はこの価格帯で数少ない選択肢の一つです。
また3回以上のOSアップデートが保証されていることからも、万人にオススメできると言えるでしょう。
生体認証について
昨年Android 12のPixel 6シリーズで問題となっていた画面内指紋認証はAndroid 13におけるPixel 7だと非常に快適で、とても実用的な精度でした。
光学式にも関わらず日中の直射日光下でも精度はほとんど下がらず、同じく光学式の画面内指紋センサーを搭載したミドルクラスのGalaxyよりも何倍も快適だと感じます。
またPixel 7シリーズから顔認証に対応し、指紋が利用できない際にもパスコード等を打ち込まずにロック解除できるようになりました。マスクを正しく着用している時は突破できませんが、あって損はないでしょう。
ちなみに筆者が検証したところ、黒目さえ認識すればどんな変顔でもロック解除できました。
残念だと思った点
ホーム画面の融通が利かない
これに関してはGoogle Pixelに共通して言えることですが、デフォルト設定のPixel Launcherは自由度が低く、最下部の検索バーは音声検索・画像検索をオフにできないどころか、そもそも移動させることすらできません。これが個人的にめちゃくちゃ邪魔で、普段Galaxyを使っていると非常に誤タップしやすいです。
もちろんNova Launcherなどといったサードパーティ製のホーム画面アプリを設定すれば良い話なのですが、純正のPixel LauncherでないとUIのアニメーションが不自然になることが多く、どちらも一長一短で不満が募ります。
背面タップの成功率が低い
Google Pixelの機能のひとつに「クイックタップ」というものがあります。これは背面をダブルタップすることで様々なアクションが利用できるショートカット機能ですが、本機種はこの判定がかなり厳しくなかなかうまく反応してくれません。
まあPixel 5もあんまり成功していたイメージはなかったですが…。

しばらく試してみたところ、「Gマークからカメラの突起部分の間を」「0.25秒~0.3秒くらいの間隔で」「少し弱めに」ダブルタップすると成功しやすいようです。それでも成功率100%になることはなく、スクリーンショットを設定した場合キャプチャ機会を失うことが多々あります。
確実性を重視する場合は他の方法を使いましょう。
通信周りの挙動が怪しい
ソフトバンク回線では一部条件によってVoLTE通話が利用できず、3G通話になってしまうことがあります。またデュアルSIMの利用もやや不安定なようです。
前者の3G通話に関してはバンド41や42をメインで掴んでいることがトリガーとなっているようなので、ソフトバンク系以外の回線ではほとんど起きないとは思います。ただし一般ユーザーでも音声通話を利用する場合に影響が出る可能性はあります。
このまま放置すると3Gが停波するため通話が利用できなくなるケースも出てくるので、アップデートで修正されることを期待しています。
コンパクト機と思わない方が良い
Pixel 6からやや小型化しているとはいえ、本機種は決してコンパクトではないです。むしろPixel 5から乗り換えるとかなり大きく感じると思います。
縦横サイズは中型~小型と言えますが、分厚さのせいで見た目の割に大きいと感じます。個人的にはiPhone XRを初めて手にした時の感覚にかなり近いです。
内蔵スピーカーがダメ
正直本機種で一番残念な点だと思いました。音が小さい上に全体的にこもっており、Pixel 5と比べても改善がほとんど見られません。
一応上下ともにスピーカー口があるステレオになっているものの、そもそも音が小さいのであまり恩恵を感じません。
とりあえず筆者はBluetoothスピーカーやイヤホンを接続して回避しています。
SIMトレイが脆そう
Pixel 5ではSIMトレイが壊れやすいという問題がありました。残念ながらPixel 7のSIMトレイもほぼ同じ構造で、やはり耐久性に問題があるような気がします。

大半の人は関係ないと思いますが、頻繁にSIMカードを抜き差しする人は慎重に取り出したほうが良いです。
音声文字起こしが微妙
使えそうだったら記事執筆で使おうと思っていたレコーダーに搭載されている音声文字起こし機能ですが、個人的には微妙でした。
ニュースのような簡単な文章なら認識精度はかなり高いのですが、喋る側が噛むと結局キーボードで打ち直して訂正するハメになります。アナウンサーのように一度も噛まずに言えるならば良いですが、普通の人は確実に二度手間になるので、キーボードによるメモの代替とはならないという結論に至りました。
また難しい表現を多用しかちな小説などの書籍を音読すると、かなり精度が下がりました。まあこれに関しては音声認識が甘いというより、日本語という言語の性質が問題な気はします。
まとめ
全体的によくまとまっており、Galaxy同様に一般ユーザーにオススメできる製品と言えます。
ただこれもPixel全般に言えることですが、Galaxyを使っていると「Wi-Fiのオンオフがコントロールパネルからワンタップでできない」「Androidの割に自由度はあまり高くない」といったような、UIにおいて歯がゆいと感じる点が多いです。あと個体によってはモバイル通信の安定性が懸念されます。
とはいえ「10万円を切っているから許せるな」と思える不満点が多く、非常にコストパフォーマンスが高いと言って差し支えはないと思います。
特に2022年はハイエンド並の性能で10万円を切る製品が少ないため、非常に有力な選択肢となるでしょう。
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