以前より「Galaxy S23シリーズ(仮称)ではExynos搭載モデルがなくなる」という噂が浮上しており、世代を重ねるごとに搭載地域が減少していることからも現実味を帯びてきています。
このようなことから「サムスンが開発するExynosプロセッサは無くなるのではないか?」という懸念が上がったり上がらなかったりしていますが、どうやらそんなことはないようです。
ハイエンドで搭載見送りも内製化率は維持との見方

調査会社GfKの調査によると、サムスンのプロセッサ(SoC)内製化率はピークである2019年第3四半期の76%から急速に低下。2022年第1四半期にはなんと21%まで低下したとThe Elecが報じています。
しかし同年第2四半期はやや盛り返して30%まで上昇し、年内はこの約3割程度を維持する見込みです。盛り返した理由のひとつとしては、Galaxy A13(4G)やA33、A53などといったロー~ミドルクラスのラインナップでExynos搭載としたことが挙げられています。
サムスンの主力ハイエンド製品であるGalaxy SシリーズなどではExynos搭載地域の割合が縮小しつつあり、前述の通り2023年のGalaxy S23シリーズでは遂に全ての地域でSnapdragon搭載になるという噂が浮上しています。しかしその分ミドルクラスにおいて積極的にExynosを搭載することで、内製化率を確保しコスト削減を狙うとの見方が強まっているようです。
なお、Exynosプロセッサは原則としてサムスンが製造・開発を担当しており、内製化によるコスト削減などが期待できます。
技術力の差が原因か?

PhoneArenaでは、ハイエンドGalaxyでExynosプロセッサを搭載しなくなった要因として「通信モデムにおける技術力の差」を指摘しています。
昨今、次世代通信規格の5Gが世界中で展開されていますが、5G対応モデムは従来の4Gモデムよりも非常に高い技術力が求められることが知られています。
過去Intelもスマートフォン向け4GモデムをAppleなどに供給していましたが、5Gで要求される高い技術力に苦戦し、先進国で5G商用化が相次いだ2019年には撤退を発表しています。
また半導体において内製化を推し進めるAppleでさえも、通信モデムは内製化が実現していません。執筆現在5G対応iPhoneは、SE第3世代を含む全てのモデルでQualcomm製のものを搭載しています。
このようなことから、サムスンはハイエンド製品でQualcommに追いつけなくなっているのではないか、と言われているようです。
もちろんモデムだけが要因ではないとみられますが、Qualcommのハイエンド通信モデムは群を抜いて完成度が高く、発熱・パフォーマンス・消費電力全てにおいて優秀であることは事実でしょう。
ただサムスンも技術力がないわけではなく、MediaTekよりも先にミリ波対応モデムを開発するほどの実力はあります。
現在のQualcomm一強というモデム市場、競争という観点からは望ましくありません。サムスンやMediaTekには今後も頑張ってほしいところです。
画像:Samsung
参考
삼성전자 스마트폰 엑시노스 탑재율, 올해도 ‘30%’ 안팎 – 전자부품 전문 미디어 디일렉 (thelec.kr)
Samsung’s Exynos processors won’t die with the S23’s move to Snapdragon – PhoneArena
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