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NTTドコモ、間もなく転用5Gの運用を開始か。まずは700MHz帯と3.4GHz帯で

5G

「優良誤認に繋がる可能性がある」として、当初から4G等で利用している既存の周波数を5Gに転用することに消極的だったNTTドコモ。

5G用に割り当てられた、帯域幅の広い新周波数のみで十分広い5Gエリアを展開している同社ですが、近頃4G周波数の5G転用準備を進めていることが明らかとなっています。

間もなく同社で転用5Gが商用化されると思われるため、現在判明している点についてまとめます。

転用5G周波数に対応した基地局の技適通過

現在4Gとして運用されている周波数において、NTTドコモ向けとみられる複数の5G基地局が技適を通過しています。

引用元:総務省
引用元:総務省

「工事設計認証を受けた者の氏名又は名称」の項目がそれぞれ異なっていますが、いずれもNTTドコモが運用する周波数のため、両方とも同社で運用される基地局であると言って良いでしょう。

700MHz帯は10MHz幅、3.4GHz帯は80MHz幅と、それぞれ運用できる最大の帯域幅で通過しています。

特定基地局開設計画の変更認定

NTTドコモは4Gで利用する周波数を5Gに転用するため、総務省へ特定基地局の開設計画の変更を申請し、12月28日に認定されたことが公表されました。

半導体不足によりエリア展開が当初の予定から変更となる様子が見られますが、無事に認定されたため、まもなくの商用化が期待されます。

変更認定の際の条件については、

  • エリア展開を推し進めること
  • MVNOなどといった「周波数が割り当てられていない通信事業者」に利用を促進すること
  • 低廉で明瞭な、満足できる料金設定を行うよう努めること
  • 通信速度といった優良誤認への対策として、転用周波数であることを明記すること

などが提示されています(一部抜粋及び要約)。

700MHz帯と3.4GHz帯から転用か

公開されている情報から推察すると、まずは700MHz帯と3.4GHz帯で転用を開始すると思われます。

LTE Band 28として運用されてきた700MHz帯は、au・ドコモ・ソフトバンクに割当が行われています。

auとソフトバンクでは既に5Gへの転用を順次推し進めており、NR Band n28として運用されています。同周波数はドコモが5Gに転用することで、3社足並みが揃う形になります。

5Gの主力プラチナバンドは3社ともこの周波数となるでしょう。

LTE Band 42として運用されてきた3.4GHz帯・3.5GHz帯の周波数でも、既にauとソフトバンクで順次5Gへ転用されています。NR Band n77またはn78として運用されていますが、ドコモでも少なくともn78では運用されるでしょう。

ただ後半の40MHz幅は既に多くの地域で4G(B42)として利用されているため、4Gユーザーへの悪影響を最小限に留めるという観点から、5Gとしては主に前半の40MHz幅のみの展開となる可能性があります


同じ周波数で4Gと5G両方の運用が可能なダイナミック・スペクトラム・シェアリング(DSS)についてですが、700MHz帯では標準化されているため理論上可能です。

ただし帯域幅が上下各10MHz幅しかないため、DSSを行うと信号の関係で著しい速度低下が起こり、一般利用においても支障が生じることが予想されます。

上下各15MHz幅でDSS運用されているソフトバンクの1.7GHz帯ですら、5Gにおいて下り100Mbps以上の速度が出ることは滅多にありません。そのためか、auやソフトバンクでは基本的に700MHz帯でDSSを行っておらず、主に純粋な転用で展開しています。

よって、ドコモもDSSを行わない可能性が高いでしょう。

なお3.4GHz帯・3.5GHz帯でのDSSは標準化されていないため、純粋な5Gへの転用が確実となります。

既存機種への対応は…

新たな周波数の商用化には「既存機種への対応」が問題となります。

3.4GHz帯では、既にドコモの5G対応機種で全て対応しているn78での運用が予想されることから、多少のソフトウェアアップデートで利用が可能になることが考えられます。実際にこの周波数で既に技適が通過している機種も見受けられます。

しかし700MHz帯に関してはハードウェアで対応している必要があり、なおかつ技適再通過とソフトウェアアップデートの必要も生じるでしょう。実際に利用できるようにするかについては、同社の判断に委ねられます。

それなりにコストがかかりますが、大半の既存機種で利用できるようにしてほしいところです。

“パケ止まり”の改善に期待

執筆現在NTTドコモでは低い5G周波数を全く運用しておらず、また5G周波数も他社より高い4.5GHz帯(n79)をメインで運用しています。

そのため出力の弱い上り通信が基地局に届かず、通信エラーが生じる「パケ止まり」が他社よりも多く発生しがちです。

ある程度までは制御で改善が見込めますが、物理的な性質が一因と考えられる以上は限界があります。

これを解決するには「パケ止まりが生じにくい低い周波数を5Gに転用すること」が最も効果的な第一歩であると考えられるため、嬉しい知らせと言ってよいでしょう。

電波は周波数の高さによりメリット・デメリットがそれぞれ異なるため、状況に応じて適切な使用が求められます。全てにおいて高速通信が可能な高い周波数が良い、というわけではありません

そのため「高速通信を謳うドコモが速度の遅い”なんちゃって5G”を始めてしまう」と悲観せず、嬉しいニュースとして捉えるべきだと筆者は考えています。

ドコモにおける今後の通信品質の改善に期待しましょう。


画像:NTTドコモ

参考

総務省|報道資料|株式会社NTTドコモに係る特定基地局の開設計画の変更認定 (soumu.go.jp)

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