日本人にとってeSIMはまだ早いのではないか

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物理的なSIMカードを必要とせず、瞬時に開通が可能なeSIM。日本では通信事業者(MNO)が消極的で、長らく普及していませんでしたが、国がeSIMの普及を後押ししたため、MNO4社でeSIM契約を行うことができるようになりました。

しかし根本的な問題は解決しておらず、課題が山積みのままとなっていると感じます。

そこで今回はeSIMが抱える問題を、個人的見解に基づいて掘り下げていきます。

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設定が複雑である

まずeSIMは設定が複雑であるという問題があります。

というのも、最もeSIMが利用されるであろうiPhoneではeSIMと物理SIMの併用やデュアルSIMでの利用に支障がきたしやすい仕様となっています

とくに格安SIM(MVNOなど)とeSIMの組み合わせは最悪であり、正しい設定を行っても通信ができないということも少なくありません。

またデュアルSIMで利用せずとも、eSIMから物理SIMに乗り換える際に以前のeSIMプロファイルが残っていると通信ができない場合があったり、正しい回線切り替えの手順を行わないと詰んでしまうことがあります。

このような状況に遭遇した場合、よほど詳しい人でも解決することは難しいでしょう。

携帯ショップの店員もeSIMについて詳しい人はほとんどいないので、店舗に持ち込んだとしても解決できない可能性が高いです。

セキュリティの懸念あり

eSIMは便利な反面、十分なセキュリティ対策を行わない限り、物理SIMカードよりも乗っ取られるリスクが上がるという問題があります。

執筆現在、ドコモではeSIMのオンライン発行を無期限のメンテナンス中としており、事実上オフライン店舗のみの受付となっています。あくまで推測にはなりますが、これは十分なセキュリティ確保ができていないと判断しているためだと考えています。従来の方法では不正アクセスや乗っ取りのリスクが高く、インターネット経由での再発行を閉鎖するしか方法がなかったのかもしれません。

また現状最もeSIM利用が便利な楽天モバイルでもセキュリティの問題を抱えています。楽天モバイルではSIMの再発行に本人確認を導入しておらず、契約している楽天アカウントにログインさえできれば、誰でもどこでも再発行が可能になっています。

さらに楽天会員のログインも多要素認証を導入しておらず、他社よりもセキュリティが脆弱であると言えます。

何が言いたいかというと、楽天モバイル契約の電話番号をそのほかのサービスに設定していると、もし楽天会員のアカウントが乗っ取られた場合、eSIM再発行によりSMS認証も掌握されるため他のサービスも連鎖的に乗っ取られてしまう可能性があるということです。

現状はデメリットがメリットを上回る

このように、eSIMは決して一般ユーザーには推奨できないままであるのが現状です。特にセキュリティに関して我々消費者ができることは限られており、強いて言うならばSMS認証などに使わないといったように避けるしかありません。

eSIMを利用する際は、このような問題があることは十分理解すべきでしょう。


筆者的にはiPhoneがeSIMのみの対応となってから1年後が真のeSIM普及タイミングだと考えています。どうしてもeSIMを利用しなければならない時が来れば、きっと問題点が解消されるはずです。

それまで筆者は他人へオススメしないことにしています。

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