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「日本はiPhoneシェア率が異常に高い」と言われる理由と原因を考える

Android

一般的に日本はiPhoneのシェア率が非常に高いと言われています。実際に他の人が使っている携帯電話に目を向けてみると、iPhoneユーザーを見かける頻度が最も高いでしょう。IDC Japanによると、「2020年通年 国内市場スマートフォン出荷台数 ベンダー別 シェア」ではAppleが47.3%とほぼ半数であることがわかります。

引用元: IDC Japan – 2020年第4四半期および2020年通年 国内携帯電話/スマートフォン市場実績値を発表

2019年も同様に46.2%のようなので、2020年だけが異常だったわけではありません。一方でIDCによる2020年第4四半期での世界スマートフォン出荷台数市場シェアを見てみると、Appleがシェア1位という点では日本と同じものの、日本よりも約半数の23.4%のシェアに留まっています

引用元: IDC – Smartphone Shipments Return to Positive Growth in the Fourth Quarter Driven by Record Performance by Apple, According to IDC

何故ここまで日本人はiPhoneを選ぶようになったのか、異常なシェア率の高さを誇っているのか、これらは様々な要因が絡み合っているわけですが、本記事ではこの考えられる要因を一部挙げてみます。

なお本記事に記載されている情報は事実をもとにできるだけ客観的に記述していますが、いくらかは筆者の考えも含まれるため、全てを鵜吞みにせず参考程度に「読み物」としてお楽しみください。

実は世界の高級スマートフォンのシェアは日本のシェアに近い

意外なことに、日本だけが異常にiPhoneを好んでいるというわけではないかもしれません。

Counterpointの調査では、卸売価格400ドル以上のプレミアムスマートフォンの2020年第1四半期世界市場シェアはAppleが最も高いという結果になったようです。そのシェア率はなんと57%とのこと。

引用元: Counterpoint – Four Out of Five Best Selling Models in the Premium Segment Were From Apple

このAppleの異常なシェア率の高さは、日本のシェア率に非常によく似ています。

調査対象で唯一Appleのシェアが1位ではなかった中国でさえ2位に君臨しているので、お金がある人は世界共通でiPhoneを好む傾向にあることが考えられます。

ではなぜ日本だけがiPhone(つまりプレミアム価格のスマートフォン)を購入する人が多いのかというと、かつて横行した一括0円や1円などといった過度な端末値引きなどといった各キャリアの競争によるもの、日本は他国と比較しても貧富の格差が比較的少なく、相対的な低所得層でもiPhoneを持つことができる点が関与しているのだと思われます。

日本は携帯キャリアが携帯電話の開発に大きく関与している

そして日本独自の事情として、携帯電話の通信会社(以下キャリア)が携帯電話の開発に大きく関与している点があります。

諸外国では通信キャリアのSIM購入・契約と携帯電話の購入はあくまで別であることが一般的で、抱き合わせ販売があっても、携帯電話の製造メーカーが開発し、それを委託販売するような形で通信キャリアが取り扱うという「開発に通信キャリアが関与しないケースが多いです。

一方で日本では本体はメーカーに製造してもらうものの、通信キャリアが開発に関与し「通信キャリアのブランド」として携帯電話を発売するという、ODMまたはOEM生産のような形態が古くから根付いており、今もなおこれに近い販売形態がとられています。

以前よりは製造メーカーの色が強く出ているものの、未だに通信キャリアが責任を持って”通信キャリアの携帯電話“としてスマートフォンなどを販売しているため、キャリアロゴの刻印だったり、大半の人が使わないのに消すことができないキャリア関連のアプリが強制的に入れられる、といったことが起きているわけです。

それだけではなく、このような販売形態のため他社のキャリアで使用することは一切考慮されておらず、他社が利用する電波に対応していないことが大半です。これではSIMロックが撤廃されても恩恵を受けることができません

一方でGoogle Pixel(以下Pixel)やiPhoneはこのような従来の日本特有の方法で開発されておらず、グローバルで一般的な委託販売のような形で開発・および製造されています。

なのでキャリアロゴの刻印もなく、余計なキャリアアプリはあったとしても消すことができ、別の通信会社に乗り換えてもiPhoneは特に電波の対応周波数などを気にせず利用できるのです。

このようにドコモのスマートフォンは特に独自チューニングが多く、一部は昔のドコモ絵文字のデザインに強制的に変換されます

こちらの端末側で勝手に変換されるだけなので、メッセージのやり取りでは相手方のスマートフォンがドコモのAndroidでない限り、Android標準絵文字やiPhoneの絵文字で表示される、つまり一部が全く異なるデザインで表示されることになります。これが地味に不便です。

なお機種によりますが、原則Android標準の絵文字デザインに変更するという選択肢はないので、いくら不便だと感じても我慢して使うことになります。ただし、その代わりといって良いのか、ドコモの端末価格(一括)は平均して他社キャリアより安い傾向があります。


話が逸れましたが、iPhoneやPixelにはこのようなチューニングは一切ないので、これでは(あまりこれが知られていないPixelはさておき)iPhoneを選ぶ人が増えても無理はないと思います。

日本国民に刻まれたAndroidのマイナスイメージ

日本で初めてiPhoneが発売されたのはiPhone 3G、2008年の頃でした。ソフトバンクがiPhoneの独占発売を行ったことから始まります。

日本ではこれらに対抗し、主にiPhoneを取り扱っていないKDDIとNTTドコモが主導となり、各携帯電話の製造メーカーはスマートフォンを製造し始めます。

AndroidというOSが標準化されてからはAndroid搭載のスマートフォンが一般的に製造されるようになりましたが、黎明期特有の不具合も多く、あまりうまくいったとは言えませんでした。

また販売形態の都合もあり、日本のキャリアでしか販売しない日本のメーカーは、世界に目を向けて大量生産を行っている国際的なメーカーには経営規模で歯が立ちませんでした

そしてこれに追い打ちをかけるような出来事であるAndroidの発熱問題に直面します。

7 مميزات لم تكن تعرف عنها في معالج سنابدراجون 810 - إلكتروني
Intrinsyc社のMDP Smartphone Base

スマートフォンメーカーはCPUといった心臓部分となるシステム・オン・チップ(以下SoC)を自社で開発・製造するといったことは、非常に大規模な投資と経営規模を要します。

なので、スマートフォンのメーカーは専門の企業が開発・製造したSoCを購入し採用することが大半です(サムスンとAppleは例外的に自社で開発しています)。

特に最高性能のSoCは今も昔もQualcommが独占しており、各メーカーの最高級スマートフォンは同社が手掛けるSnapdragon 800シリーズのSoCを搭載する、ということが毎年恒例となっています

つまり、このSnapdragonが失敗作を作っても代替となりうるSoCは存在せず、失敗作となったSnapdragonを積むほかないという事態が発生してしまいます。

この失敗作と呼ばれた例がSnapdragon 810でした。このSoCは何をするにしても非常に発熱しやすいと言われており、各メーカーは制御に苦しむこととなります。

とある国内メーカーはすぐに販売停止となり、また他の国内メーカーは発熱対策としてパフォーマンス制限をかけた結果ポンコツと呼ばれ、またまた他の国内メーカーもなんとか対策を行ったものの、激しい発熱を完全に抑えることはできず、他の同時期に出た機種同様に「ホッカイロ」と揶揄されてしまいます。

Qualcommに頼らずともSoCを自社で賄えるメーカーは被害者にならなかったのですが、当時は今よりも嫌韓ムードが強く、韓国製品はあまり売れずサムスンは国内で伸び悩んでいたので、iPhoneが最も脚光を浴びることになりました。

結果的に日本人には「Androidはポンコツである」といったイメージが深く根付いてしまったのだと考えられます。

ちなみに、当時のiPhoneは一括0円や1円で大量にばら撒かれていたため、わざわざ性能を抑えた低価格のAndroidを買う必要はほとんどありませんでした。


それから数年後、端末値引き規制により「格安スマホ」が流行します。4~5万円以下で購入できる、いわゆる格安スマホと呼ばれるAndroidは、普段使いにおいては十分な性能を持ち合わせていることが多いです。

左:Galaxy A32 5G(格安スマホ)・右:Galaxy S21 Ultra

例えば筆者が所有しているこの2機種ですが、同じGalaxyでも左は発売価格が約3万円右は約15万円と、なんと5倍の価格差があります。これが格安スマホの魅力です。

このような格安スマホは性能や機能を削ることで安さを実現していますが、真っ先に削られるものの一つにゲーム性能があります

つまり「安い」という理由で格安スマホを親から買い与えられた学生には、ゲームが満足に出来ないため、結局「Androidはポンコツである」というイメージがついてしまうのです

そして型落ちという概念はあっても、わざわざ性能を抑えたCPUを搭載するという概念がない、全ての機種が高性能であるiPhoneに強い憧れを持ち、逆にAndroidにコンプレックスを抱える人が続出しているのではないかと考えられます。

ゲームにおいてはiPhoneが有利

また、アプリ開発の観点からもiPhoneは種類も少なく一貫して性能が高いため、最適化がしやすいという側面があります。

よって、一般的にゲームはiPhoneのほうが最適化が進んでおり、重いゲームをする場合はiPhoneのほうが安定している場合が多いというわけです。

特に日本発のゲームは顕著であり、Android版は更新頻度が低く見放されがちであるケースもあるようです。

例えばFate/Grand OrderのAndroid版は、2019年にAndroidが64bitへの移行を本格化するまで、32bitのみでしか動作しませんでした。

Androidのハードウェア側は、それこそSnapdragon 810を皮切りに64bit対応が進んだので、それから4~5年ほど経ってから初めての対応となりました。

有名かつ売上高もトップクラスであるゲームとしては対応が遅いように見受けられますが、それだけ日本のAndroidユーザーは少数派であるということを表しているのではないかと感じます。

iPhoneの囲い込み戦略

またAppleは囲い込み戦略が非常に得意です。iPhone側の端子はUSBではなく独自規格で、Apple Watchのように、周辺機器はiPhoneがないと一切利用できないものもあります。データのバックアップなども全てAppleのサービスで完結します。

独自のものを多用しているため、実際にAppleの純正周辺機器やサービスは非常に便利で、Androidにはなかなか実現できない高い親和性を実現しています。iPhoneからiPhoneの機種変更に伴うデータの移行も、ほぼ100%の復元率を実現できるのはiPhoneだけです。

逆に言えば、買った周辺機器がiPhoneでしか利用できない、データの移行はiPhoneしか再現性が高くないとなると、必然的に次の機種変更ではAndroidにする、という選択肢がなくなるということになります。

このように、知らず知らずのうちにAppleに囲い込まれ、抜け出せなくなってしまうのです。

また「みんながiPhoneだから」という理由で選んでいる人も多いでしょう。みんなが使っているものと同じものを買えば、使い方も簡単に教えてもらえますし、充電器などもシェアできます。

みんなが使っているので携帯電話選びに失敗する可能性が低い」という点は、毎日使う携帯電話として選定する際に非常に大きなアドバンテージとなりうるのではないでしょうか。

まとめ

  • iPhoneはキャリア要素がない
  • 過去に一括0円や1円でばら撒かれていた
  • Androidはポンコツなイメージが強い
  • 「ゲームをするならiPhoneやiPadを選ぶべき」が一般論である
  • みんなiPhoneを使っている

ということから、日本ではiPhoneのシェア率が高いのではないかと考えました。

星の数ほど存在するAndroidから良い機種を見極めて選ぶより、種類が少なく使っている人が多いiPhoneを選ぶ方が何倍もリスクが少ないといえるでしょう。

何台もスマホを買って良い機種を見極めて選ぶ、ということを楽しむのは筆者を含めた愛好家だけですからね。

とはいえ最近は一括1円のような大幅な端末値引きが規制されたため、iPhoneが高くて買えなくなったという人が続出しています。

今後は格安スマホが豊富なAndroidにユーザーが流れていくのかもしれません。

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