Galaxy実機でSnapdragon 8 Gen 1と8+ Gen 1を比較・検証

Android
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「Snapdragon 8 Gen 1は発熱するが、Snapdragon 8+ Gen 1は発熱しない」といったような噂をよく耳にします。

前者はサムスンによる製造、一方後者はTSMCによる製造ということで、マイナーチェンジの製品にしては劇的に改善されている、と考えられているようです。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

もし改善されているとすれば、どこがどのくらい改善されているのでしょうか?

実際に試してみないと気が済まないので、所有しているGalaxyで検証を行いました。

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前提条件

今回はSnapdragon 8 Gen 1搭載機種はGalaxy S22を、Snapdragon 8+ Gen 1搭載機種はGalaxy Z Flip4で検証します。

メモリ(8GB)やバッテリー容量(3700mAh)などといったスペックは可能な限り近いものをチョイスしていますが、そのほかの細かいスペックは別製品のため異なります。

またメーカーによっても挙動が異なると考えられるので、検証結果はあくまで参考程度に留めておいてください。

ちなみに比較時点でのバージョンはS22がOne UI 4.1、Z Flip4がOne UI 4.1.1です。

スペックを比較

まずはカタログスペックで比較してみます。なおスペックには実機で確認した情報も含んでいます。

Snapdragon 8 Gen 1Snapdragon 8+ Gen 1
CPU①1x Cortex-X2 @3.00GHz1x Cortex-X1 @3.19GHz
CPU②3x Cortex-A710 @2.50GHz3x Cortex-A710 @2.74GHz
CPU③4x Cortex-A510 @1.79GHz4x Cortex-A510 @2.02GHz
GPUAdreno 730 @818HzAdreno 730 @900MHz
製造プロセスSamsung 4nmTSMC 4nm
参考:Qualcomm 1, 2

周波数は全てにおいて8+ Gen 1のほうが高くなっています。

製造プロセスはいずれも4nmと表記されているものの、サムスンやTSMCなどといったファブ(製造元)によって同じ名称でも製造方法は異なるので、これらを直接比較することはできません。

ベンチマークスコア

AnTuTu v9

全て28℃前後の室温で計測しました。

1枚目は保冷剤での冷却を行ったラボスコア、2枚目は外部からの冷却なし(無風)で測定した一般的な利用環境で得られるスコアです。

ラボ環境では8+ Gen 1搭載であるZ Flip4が全ての項目においてやや高いスコアとなりました。やはりマイナーチェンジモデルであるこちらのほうがポテンシャルは高く、その差がスコアに反映されています。

一方で通常の環境ではどちらも88.5万点とほぼ同じ結果になりました。発熱の程度やタイミングもほとんど変わらず、どちらも同じような時間にスロットリング(パフォーマンス低下)が発生して40℃前後の本体温度となっています。

ただし、いずれもスロットリングが発生していない常温ではとても快適です。

Geekbench 5

GeekbenchのCPUのみを計測するベンチマークでは、大きな差が出ました。

純粋にCPUの周波数が大幅に上昇したことから、その分がスコアに反映されたと考えられます。

発熱

発熱に関してですが、残念ながらどちらも変わらずそれなりに発熱します

筆者の環境では室温28℃で無風の場合、どちらも数十分のTwitter閲覧で体温ほど(36℃)に達してしまいました。

寧ろスロットリングの制限が緩くなっているのか、Z Flip4のほうが発熱する場面もあるように感じました。

一方で高熱時のパフォーマンスに関してはZ Flip4に軍配が上がります。S22では約35℃を超えるとTwitterがかなりカクつき動作が重くなるのに対し、Z Flip4では同じ高い本体温度でも安定して120Hz上限に近いリフレッシュレート(fps)が維持されていました。

バッテリー持ち

バッテリー持ちも「あまり変わらない」という印象です。

常時同じWi-Fiに接続して以下の使い方を100%の満充電から20%まで行いました。

  • Twitter閲覧(メイン)
  • ネットサーフィン(ほぼChrome、ごくまれにFirefox)
  • YouTube視聴

その結果、画面ON時間はS22が7時間52分Z Flip4が8時間22分でした。

ちょうど30分の差がついていますが、全く同じ使い方をしているわけではなく、また同時に検証しているわけでもないので、あくまで参考程度に留めておいてください。

一応2〜3回試したものの、やはり前者が7時間半〜8時間、後者が8時間〜8時間半で落ち着いていました。ただ普通に使っていてバッテリー持ちの違いを感じることはありません

左:Galaxy S22、右:Galaxy Z Flip4

明らかに違うと感じることはないものの、Z Flip4の方が若干バッテリー持ちが良いという結果になりました。

なおサムスン公式(韓国)のスペックではWi-Fi接続下におけるインターネット利用がS22で15時間、Z Flip4で16時間と記載されていたので、概ねカタログスペック通りの差になっていると言えます。

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まとめ

以上のことから、プロセッサが変わったからといってSnapdragon 8 Gen 1搭載Galaxyから同8+ Gen 1搭載Galaxyに乗り換えるメリットはほぼない、と言ってよさそうです。

マイナーチェンジモデルなので当然ながらパフォーマンスの向上はみられるものの、一方で発熱やバッテリー持ちは目に見えて改善する変化が見られませんでした。

とはいえ、今S22シリーズかZ4シリーズのどちらにしようか迷ってる人は、是非この結果を参考にしてください。その時点での価格を考慮に入れることもお忘れなく。

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