サムスン、半導体製造の歩留まり改善に米国企業と提携

トランジスタの構造変化によるパフォーマンスと消費電力の改善 サムスン

半導体製造を担うサムスンのファウンドリ部門では、競合のTSMCに対抗すべく、米国のSilicon Frontline Technologyと提携することを決定したようです。Naverニュースが報じています。

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競争力の低下に対処

2022年のハイエンドスマートフォンに搭載されたサムスンの4nmプロセスを採用したプロセッサは、いずれにおいても量産に問題が生じる歩留まり(良品率)の低さが問題視されていました。

またSnapdragon 8+ Gen 1およびSnapdragon 8 Gen 2の製造では、競合他社であるTSMCの4nmプロセスが採用され、Snapdragon 888から続いたサムスンの独占的な供給は断たれてしまいました。

このような背景があり、今回の提携が決定したとみられます。

なお提携したSilicon Frontline Technologyは、半導体設計のソリューションおよび静電気放電(ESD)防止技術を提供しています。

半導体の製造工程で発生する静電気放電は歩留まりに大きな影響を与えることが知られており、これを防止することによって歩留まりの改善(≒良品率の向上)が期待できます。

将来的にはSnapdragon 8の製造に復帰?

出典:Samsung

The Elecによると、クアルコムはサムスンと再び手を組む可能性を示唆しているようです。

サムスンは3nmプロセスからGAA(Gate-All-Around)構造を採用し、従来のFinFET構造と比べて大幅な性能向上が期待されています。TSMCは引き続き3nmプロセスでもFinFET構造を採用すると考えられるため、電力効率が高く安定的な供給が実現できれば、サムスンにとって大きな強みとなるでしょう。


近年サムスンの製造するプロセッサは「電力効率が低い」「発熱しやすい」などと指摘されており、消費者からの評判も低下しています。

非常に評判が良かったSnapdragon 835も製造はサムスンなので、あの頃の評判の良さを取り戻してほしいところです。


画像:Samsung

参考

[단독] 삼성, 美기업과 협력해 성능 개선 박차…TSMC 맹추격 나선다 (naver.com)

Silicon Frontline Technology

[퀄컴 스냅드래곤서밋 2022] 퀄컴, 3나노 이후 삼성과 다시 손잡나…”멀티 파운드리 전략 지속” – 전자부품 전문 미디어 디일렉 (thelec.kr)

Samsung Foundry starts production of 3nm semiconductor chips with GAA architecture – SamMobile

Samsung working with American firm to improve semiconductor chip manufacturing yield – SamMobile

次世代半導体向けの次世代工程「GAA構造」トランジスタ | サムスン半導体日本 (samsung.com)

Qualcomm and Samsung Collaborate on 10nm Process Technology For the Latest Snapdragon 835 Mobile Processor | Qualcomm

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