非対応であるはずの端末で受信可能!? 3.4GHz帯 Softbank 5Gの謎

5G

(アイキャッチ画像は名古屋市内某所のSoftbank 5G基地局)

2月15日より、SoftbankがLTE周波数帯を利用した5Gサービスを提供開始しました。これに含まれるLTE Band42として利用されていた3.4GHz帯で興味深い検証結果が出ましたので、考察したいと思います。

3.4GHz帯はn78としてサービスを提供している模様

Softbankが5G向けに新たに割り当てられた周波数は3900M〜4000MHzの100MHz幅です。これはNR Bandではn77にあたります。

そしてn77は3300M〜4200MHzで規定されているため、単純に考えて5Gに転用される3.4GHz帯(3400M〜3440MHz)はn77で運用されると考えられます。

今回転用される周波数は前半の40MHz幅のみであると思われる

しかし筆者が検証した限りでは、n77に非対応でn78(3300M〜3800MHz)に対応した端末にてn78として掴みました

検証端末のService Modeより。440-20はSoftbankのことである

こちらの画像で特に注目していただきたいのは”NR_EARFCN””NR_BAND””NR_BW”の項目です。

EARFCNというのは、簡単に言うと「特定の周波数に特定の番号を割り当てられたもの」です。計算式に当てはめて周波数を逆算すると「3410MHz」となります。これはSoftbankの3.4GHz帯転用5Gにあたる3400M〜3440MHzと合致します。

NR_BANDは名前のままで「3.4GHz帯をn78で掴んでいる」ということを表しています。

NR_BWは5G周波数の帯域幅を表し、単位はMHzです。これはSoftbank 3.4GHz帯の40MHz幅(上記表参照)と合致しています。

なお、検証端末の対応NRバンドはn1/n5/n41/n78/n79のみであり、n77には対応していません。

このことからSoftbankの3.4GHz帯5Gはn78で吹いているということが明らかとなりました。

しかし、SoftbankのSIMロック解除可能な端末の周波数一覧を見る限り、転用5Gに対応する端末はn78にほとんど対応していません。

何故このような矛盾が生じてしまっているのか、どういう意図なのかを筆者が勝手に予想しました。

両方のバンドで提供している(MFBI)かも?

まず考えられるのは、MFBIを利用しているという可能性です。

LTEではMFBI(Multiple Frequency Band Indicator)という技術があり、周波数が重複している複数のLTEバンドでサービスを提供するということができます。日本ではBand18とBand26を同じ周波数の800MHz帯で提供しているauなどが例として挙げられます。

NRでこのような技術が標準化されているのかは不明ですが、Softbankはこのような手法でサービスを提供している可能性があります。

実はn78としてサービスを提供している?

公式サイトなどではn77のみの表記ですが、実は表記していないだけで、Softbankの端末もn78に対応(予定も含む)しており、3.4GHz帯5Gはn78として掴むという可能性も挙げられます。

いずれにせよ予想でしかなく検証しようがないので真偽は不明ですが、十分可能性として考えられます。

Softbankならではの事情が関わっていそう

何故ここまでしてn78でサービスを提供したいのか、それはSoftbankならではの事情が関わっていると考えられます。

日本の2大キャリアであるauとdocomoは世界的に見てもかなりマイナーなLTEバンドを多く採用しており、訪日外国人が利用するにあたって非常に使いにくく、ほとんどの海外版スマホでは通信速度どころか、エリアの広さ(カバレッジ)に影響が出てしまいます。

しかしSoftbankは例外で、アジア諸国で広く採用されているメジャーなLTEバンドを多く所有しています。なので、訪日外国人にとって日本で最も利用しやすいキャリアとして重宝されています。

ただし5Gに関しては少しマイナーな、Softbankが世界で初めて商用化したn77を採用しており、今後普及していくにあたって弱みになってしまう可能性があります。

一方でn78はNRバンドとしては最もメジャーであり、世界中の国でほとんど採用されているNRバンドです。3.4GHz帯はn77としても吹くことができますが、n78でも吹くことができるため、こちらで吹いた方が都合が良いのは明白です。よって、少なくともn78でサービスを提供しているのだと考えられます。

まとめ

わざわざn78としてサービスを提供しているのは東京オリンピックが目前に控えているからだとも考えられます。

多くのトラフィックを捌くにあたって、LTEよりも広い帯域幅のNRは必要不可欠です。

本題の周波数は元々LTE Band42として割り当てられたものではありますが、最近割り当てられたばかりであり、後半の3560M~3600MHzとは異なりほとんど利用されていませんでした。またほとんど使われていなかったので、4G契約のユーザーにも「通信速度が低下する」などといった悪影響はあまりないでしょう(ただし他の転用5Gは条件により影響が出るかもしれません)。

よって大半の地域では新たに追加されることになるので、3.9GHz帯と比べて5分の2程度の帯域幅ではあるものの、4Gと比較しても十分な速度向上が見込まれるでしょう。

是非とも主力の5G周波数として整備してほしいという願いを込めて、本記事を締めさせていただこうと思います。

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